健康

女性のための漢方講座「舌のトラブル」編-1

(2017年7月27日号掲載)

あれっ?舌がギザギザになってる!

巡りの悪化が舌に出る
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

読者のみなさんは歯磨きをするとき、舌の状態をチェックしていますか。舌の異常は、体の不調を訴えるサインでもあります。舌のトラブルに関して、患者さんの中で特に多いのは「舌に歯型が付いている」「舌に厚いコケが付いている」といった悩みです。

今回は舌に歯型が付いている状態について考えてみましょう。これは舌の側面に歯の痕が残り、ギザギザになってしまう症状です。この原因には主に2つのタイプがあり、一つは体に余分な水が溜まることによって舌がむくみ、歯の痕がつく場合。もう一つは、気・血が不足したり、巡りが悪くなったりすることで起こります。これは舌の形が、気・血によって維持されるためです。

水が滞る状態は、漢方的には「水滞(すいたい)」と言います。五臓のうち、水の巡りに関わるのは脾・肺・腎です。特に消化吸収をつかさどる「脾」の衰えは、舌のトラブルに大きな影響を及ぼします。胃腸虚弱は水滞に加え、気・血のもとになる物質の吸収も悪くなるため、歯痕が現れやすくなります。

胃腸が原因であれば、胃腸の働きを良くして気血を増やし、余分な水を取り去る漢方薬を使います。「六君子湯(りっくんしとう)」はその代表と言えます。体内の水は巡りが滞ると、下半身にたまりやすく、冷えの原因にもなります。胃腸が丈夫なことは、老若男女を問わず、体調を維持するためにはとても重要です。

また、巡るべき血の不足が明らかな場合は、女性の冷え症の改善によく使われる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」を用いて体質改善を図ります。

このように舌のトラブルは、体の中の不調の密接に関わっている場合が多くあります。次回は「舌のコケ」について考えてみましょう。