健康

格言で学ぶ漢方-31

皮膚は内臓の鏡

(2017年3月2日号掲載)

慢性の皮膚病は自分へのサイン?

内臓のダメージが皮膚に現れる
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

漢方の診療所には、慢性の皮膚の病気に悩んでいる方が訪れることもあります。皮膚のトラブルを漢方薬で治すというと、意外に思う方がいるかもしれません。薬によって体の内側の改善を図り、皮膚に働きかけていくのが漢方的なアプローチです。

西洋医学では、慢性の湿疹、アトピー性皮膚炎などに対してステロイドホルモンの塗り薬を用いることが多いと思います。東洋医学では皮膚の病気は、皮膚にとどまらず、冷え症、のぼせなどの熱、ストレス、食事、五臓六腑の不調、気・血・水の巡りの異常などが関連して起こります。したがって、全身を見て治療する必要があります。漢方でいうところの脾(胃腸などの消化器)が弱かったり、ストレスで気・血を巡らせる肝の働きが悪化したりする原因の場合もあります。

慢性のじんましんの患者さんを診ることもよくあります。当然、原因はさまざまです。じんましんに対しては、西洋医学ではアレルギーを抑える内服薬がよく処方されます。ある時、西洋医学的な治療で改善しない患者さんが来られました。話を聞き、脈、舌、おなかを診察して分かったのは、患者さんが強いストレスの状態に置かれているということでした。ストレスで肝の働きが悪くなっていたのです。

そこで、肝の働きを調節する漢方薬を処方しました。その後、徐々にじんましんは出なくなりました。この場合、じんましんはストレスの結果、出現したというわけです。慢性のじんましんは、その原因が複雑であることが多く、一筋縄でいかないこともあります。

皮膚の病気が続いたら、それは自分の体から発せられる「気をつけなさい」というサインかもしれません。何に気を付けたらよいのかは、人それぞれです。皮膚に何らかの症状が現れた時は「皮膚は内臓の鏡」という言葉を思い出して、日々の生活を振り返ってみましょう。