健康

女性のための漢方講座「血の道症」編

(2018年3月8日号掲載)

生理中の体調不良。なんとかして。

その原因は「血の道」にあり!
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

漢方の世界には「血の道症」という病名があります。これは月経や出産、閉経などが原因で起こる症状の総称です。

例えば、頭痛やのぼせ、肩こり、動悸、疲労などを感じるものの、検査をしても特に異常がないというケース。また、理由もなく不安になったり、興奮したりといった精神症状が現れる人もいます。いわゆる不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれる状態です。

月経を東洋医学的に考えてみましょう。月経に関連する不調は、月経前、月経中、月経後と分けることができます。

排卵後から月経前は、血液が子宮に溜まっていく時期です。月経開始に向かって、急速に血の流れが悪くなるとともに、一緒に巡っている気の巡りも悪くなります。瘀血(おけつ)、気滞(きたい)と呼ばれる状態で、のぼせ、いらいら、肩こり、頭痛、動悸、不安などの症状を生み出します。もともと気血の不足や巡りが悪い体質があると、気血の巡りはさらに悪化し、症状もより重くなります。

月経が始まると、一挙に血は巡り始めるので、気血の停滞による症状はなくなります。ただし、月経中は血を失う時期なので、血が十分にない人は、血虚(けっきょ・血が不足)の症状が出現します。月経が始まってもすっきりせず、体が冷えたり、頭がぼーっとしたり、下痢になったりします。

月経が終わった時は、血をたくさん失った状態です。巡るものとして血が不足しているので、人によっては瘀血と血虚の症状が出現します。また、体が冷えているだけでも、血の巡り悪くなります。

月経前の症状に最も使われるのは、血を巡らせる代表役である桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。血を補うためには四物湯(しもつとう)の類が多く使われます。気の不足がある場合は、気も血も補う十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)が用いられることもあります。