健康

女性のための漢方講座「血行」編

(2018年2月8日号掲載)

何をやっても血行が悪い。どうして?

「気」の流れにも 注目して
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

最近、テレビや書籍などで「血流を良くするにはどうすればいいか」という話題を多く耳にします。この場合の多くは、「血液」の流れを述べているようです。

漢方では血液を含む、体の中を巡る赤い液体のことを「血(けつ)」と言います。血液と似ていますが、完全に一致しているわけではありません。血が体内を滞りなく巡っているのが健康な状態です。この血がスムーズに流れていない場合は「瘀血(おけつ)」と呼ばれ、頭痛や肩こり、月経痛などの症状の原因になると考えられています。

血の問題を解決する時には、「気」の流れも同時に考える必要があります。

「気」は目に見えないエネルギーのことです。血と同様にスムーズに巡っているのが健康な状態です。気の巡りはストレスで容易に悪化します。重要なポイントは気血が一緒になって巡っているということです。

月経前のイライラを例に挙げましょう。月経前には血の巡りが悪くなりますが、気血は同時に巡っているため、気の巡りも悪くなります。気の巡りが悪くなると、気分が落ち込んだり、朝からだるく感じたりします。もともとの体質で気の巡りが悪いという人も必ずいるので、人によってはそれらの症状が強く出ます。血が流れる、つまり月経が始まると、気も流れるのでイライラがなくなります。

逆に気が巡っていない状態では、血の巡りも悪くなります。このような状態の時、血の巡りだけ良くするのは困難です。気を巡らせないと、根本的な解決にはつながりません。気の流れは精神状態に大きく左右されるので、ストレスや緊張を避ける生活を送ることが大切です。

血を巡らせる漢方薬の代表に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)があります。気を巡らせる漢方薬は多数ありますが、柴胡(さいこ)という生薬を含む漢方薬はしばしば使われます。血を補って巡らせ、気も巡らせる漢方薬の代表に、加味逍遥散(かみしょうようさん)があります。