健康

女性のための漢方講座「おなかの張り」編

(2017年11月9日号掲載)

おなかが張ってスカートがきつい。

血流の悪化や冷えが原因
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

診療所に訪れる方の中には、「おなかが張る」という悩みを持つ方は少なくありません。特に女性の方が多いようです。張りを感じる場所は、上腹部、下腹部、腹部全体とさまざまです。ストッキングやタイトスカートなどで締め付けられ、苦しさを覚えるという人もいます。

女性の中には、月経前に下腹部が張る人がいます。これは、「瘀血(おけつ)」によるものです。

瘀血とは血の流れが悪化した状態、または流れなくなった血を指す漢方用語です。月経前は血の流れが悪くなり、月経が始まると血が流れます。月経前の不調の多くは、この瘀血が関与します。血の巡りを良くする漢方薬の代表に、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)があります。

また、体が冷えるとおなか全体が張る人がいます。体の外にあって、身体に病を引き起こすものを「邪(じゃ)」といいますが、寒邪(かんじゃ)がおなかに入り込んで、胃腸の働きが悪くするために張るのです。この場合はおなかを温めたり、腸の緊張を取ったりするような漢方薬が選択されます。桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、小建中湯(しょうけんちゅうとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)などが用いられます。

また、おなかの張りは、ストレスでも起こります。仕事のストレスが原因の場合、職場に行くとおなかがだんだん張ってきたり、会社に行く前に腹痛や張りを感じたりすることもあります。最近は働く女性も多く、ただでさえ、月経により気血の巡りの不調が出現しやすい環境にあります。ストレスでも気血の巡りが悪くなりやすいため、女性にとっては大変な時代です。

おなかの張りを感じたら、月経の前なのか、体は冷えていないか、ストレスはないかなど考えてみませんか。おなかの張りも体からのサインなのです。