健康

女性のための漢方講座「ドライマウス」編

(2017年11月2日号掲載)

いただきます!あれっ?変な味がする。

口が乾くと元気もなくなる
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

秋は口の中も乾燥しやすい季節です。今回は「ドライマウス」について考えてみましょう。

通常、口の中は唾液によって潤っています。漢方では唾液は水(津液[しんえき])の一部と考えます。ですから、口が乾燥するということは、口腔内の水が不足している状態といえます。全身の水が不足したり、気血の巡りの悪化によって頭部に熱がこもったりするとドライマウスになります。

ここでいう「水」とは、水道の水とは異なるものです。ただ単にのどが渇いているだけなら、水道の水を飲めばのどは潤います。ですが、水が不足している人は、いくら水を飲んでも少し時間が経つと再び渇きを覚えます。

全身の水が不足している場合、血と同様に、食べ物から水のもとになるものを摂る必要があります。そのためには、胃腸が十分に働いていなければいけません。以上の理由から、漢方では口腔乾燥を治すために、水を補い、胃腸を良くする薬を処方することがあります。このような漢方薬の代表に麦門冬湯(ばくもんどうとう)、清暑益気湯(せいしょえっきとう)などがあります。

「味を感じる」という現象は、食物の一部が唾液に溶けて、それを舌の味蕾(みらい)という場所で感じることで起こります。そのため、唾液が出なくなると、味覚障害が起こりやすくなります。

食べ物がおいしく食べられると、人は幸せを感じるものです。気分がよいと、気の巡りが良くなり、体の調子がよくなり、胃腸の働きもよくなります。ところが、食事がまずいと気分は落ち込みがちです。食欲もなくなり、元気も出ません。

このように、味覚は人が健康に生きていく上でとても重要な感覚です。料理の正常の味が分からなくなったり、変な味を感じたりしたら、口の中が乾いていないかを疑ってみる必要があります。