ワクチンで防げる病気 VPDから子供を守ろう
感染症の中にはワクチンで予防できる病気(VPD)も多くあります。ワクチン接種の必要性について、わんぱくキッズクリニック(浜松市北区根洗町 TEL053-414-3189)の野田昌代院長に話を聞きました。(2010年7月1日号掲載)
遅れている日本のワクチン事情
医療先進国と考えられている日本。しかしワクチン接種制度は海外に比べて遅れをとっているのが現状です。現在、日本では子供を対象に結核やポリオ、麻しん(はしか)・風しんといった感染症に対するワクチンの定期接種が行われていますが、他の先進国は日本よりも多くの予防接種が無料で受けられる環境にあります。
世の中に感染症は数多く存在しますが、その中でワクチンにより防げる病気のことをVPDといいます(表参照)。VPDは特効薬がないものや一度かかると重病になりやすいものばかり。特に免疫機能が未発達の子供はワクチンで命を守る必要があります。予防接種をしておけば感染を防ぐことができ、万が一かかっても軽い症状で済みます。周囲の人にうつさないためにも、ワクチン接種は重要であるといえるでしょう。
任意接種も必ず受けて
ヒブや小児用肺炎球菌は髄膜炎という重い病気につながるおそれがあります。髄膜炎は脳を包む髄膜が炎症を起こす病気で、最悪の場合、死亡や重い後遺症を残す怖い感染症。初期症状は風邪と似ていて気付きにくいため、かかる前に予防することが大切です。
現在の日本ではヒブ、小児用肺炎球菌ともにワクチンは任意接種となります。任意接種というと「任意なので受けなくてもいい」という風潮がありますが、これらのVPDは欧米諸国で定期接種が行われている病気。「予防しなくてもいいもの」ではないので注意してください。
ヒブ、小児用肺炎球菌のワクチンは三種混合と同時に接種することが可能です。一度に打てば病院に行く回数も減り、接種期間も短縮できるため効率的。ヒブワクチンは今まで供給不足だったため、予約接種までに半年ほどかかっていました。ですが、10月以降はほかのワクチンと同様に接種できる予定です。

副反応を心配しすぎずに
おたふく風邪や、水ぼうそうも予防接種を受けない人が多く見られます。「一度かかれば二度はない」といって子供をわざと感染させるような人もいますが、もってのほか。おたふく風邪は重症化すると脳障害や重度の難聴になる危険性があります。水ぼうそうはブツブツができて終わりではなく、脳炎や肺炎、皮膚の感染症を合併するおそれがある病気です。
日本脳炎はワクチン接種後にアデムという脳炎が発症したことにより、以前は予防接種の呼びかけが控えられていました。ですが、今年の4月から積極的な接種を再開するよう厚労省から通達がなされています。WHOも「重大な病気でありワクチンでしか防ぐ方法がない」としており、ワクチンの安全性を明言しています。予防接種に使われるワクチンは多くの命を救ってきた実績のあるものばかり。副反応を心配しすぎず、せっかくあるワクチンを使わないのはもったいないと考えてVPD対策を行ってほしいものです。













