自然治癒力を高める! 知っておきたい漢方薬の知識
さまざまな症状の緩和に役立つ漢方薬。でも、普通の薬とどんなところが違うのでしょうか。東漢堂内科クリニック(浜松市中区小豆餅 TEL053-430-1188)の藤井則弘院長に聞きました。 (2011年1月13日号掲載)
植物や鉱物を混ぜ合わせて
漢方とは古代中国の医学が、日本独自の思想によって体系化された医学のこと。病気そのものを取り去ろうとする西洋医学に対し、病邪(病気のもと)を探り患者の持つ自然治癒力を高めることで回復を目指すのが漢方医学の特徴です。

病気とは「体や心の調和が乱れた状態である」というのが漢方の考え方。このバランスを取り戻すために処方されるのが漢方薬です。漢方薬は植物や鉱物などから作られる生薬を混ぜ合わせたもの。体の抵抗力の強化、免疫力の調整、新陳代謝の促進など間接的に病気を治す力を高める作用があります。そのため、病気がいくつもの臓器にまたがっている状態や原因がはっきりしない病気などに効果があるといわれています。
どんな漢方薬を使うかは、患者の「証(しょう)」を見極めて決定します。証とは病態や体格、体質などをタイプ別に分け、総合的に分析したもの。例えば患者の体格を見て、体ががっしりしている人(実証)にはある程度反応が強いものを、細身の人(虚証)には体に負担をかけないものを処方する、といった流れです。このように患者の状態が大きく関わるので、同じ病名であっても人によって処方する薬が異なることがあるのです。
使い過ぎれば副作用も
漢方薬には煎(せん)じ薬、散剤、丸薬などのタイプがありますが、現在は煎じる必要のないエキス剤が一般的です。服用するタイミングは食前または食間。食後は食べ物によって効果が出にくくなるので避けます。薬は湯または水で飲み、葛根湯など「○○湯」と付くものは湯に入れて飲んだ方がよいでしょう。薬効を上げるためにしょうが汁や日本酒と一緒に飲むこともあります。
ただ、いくら生薬を使っているからとはいえ、用量を間違えれば副作用が出る危険性も。特に甘草、麻黄、附子などが入っているものは要注意です。甘草は高血圧症や浮腫、麻黄は交感神経興奮作用、附子はしびれなどをそれぞれ引き起こすリスクがあります。また、植物が多く使われているので生薬アレルギーなどが起こる可能性もあります。
冬は草木が枯れ、万物が凍りつく季節。漢方の考え方では今の時季は自然の流れに逆らわず、保温に努めるのがよいとされています。インフルエンザやノロウイルスなどの病気にも漢方は対応していますが、基本的には温かい食べ物をよく食べ、体を冷やすのを避けるといったことが大切になってくるでしょう。













