シワ対策で使われるボトックスってどんなもの?
年齢とともに気になるシワを改善するといわれるボトックス。一体、どんなものなのか、ハートライフクリニック(浜松市中区旭町・浜松駅前ビル6階 TEL053-451-1403)の中西健嗣先生に話を聞きました。(2009年6月11日号掲載)
筋肉の動きを弱め表情ジワを改善
ボトックスはボツリヌス菌という細菌の作りだす毒素を使った薬です。この毒素は筋肉をまひさせる作用があり、もともとは医療用としてまぶたのけいれんを抑える治療などに使われてきました。病気の症状をやわらげる治療の過程で応用されるようになり、現在ではシワ改善などの美容目的にも広く用いられています。
ただし、ここで気をつけたいのはボトックスが「すべてのシワに効果があるわけではない」ということです。筋肉の動きを弱める作用を利用するため、効果があるのは「表情ジワ」とよばれるシワに限られます。これは顔に力を入れたときに強調されるシワのことで、笑ったときの目じりのシワや額の横ジワ、眉間の縦ジワなどです(図参照)。反対に涙の溝とよばれる部分やちりめんジワ、ほうれい線の改善には不向きといえます。

表情ジワの改善に効果のあるボトックスですが、高齢になるほど十分な効果が得られないことも。そこで大切なのは、くせでシワの溝を深く作らない事です。シワを寄せるくせは繰り返す筋肉の動きで溝が深くなっていき、やがて「固定ジワ」に。まずは自分の素顔を鏡で見て固定ジワがあるかどうかチェックしてみましょう。顔に力を入れず普通の状態で線になっているのが固定ジワです。ボトックスは筋肉の動きを抑えることで、固定ジワを予防する役目もあります。
注射で施術 多汗症・小顔にも

施術は医師が注射器を使い患部にボトックスを注入します。このとき使用する針の太さは35ゲージとかなり細く、赤ちゃんに使う針と比べても分かるように(左下写真)痛みはほとんど感じません。徐々に作用し、個人差はありますが2〜3日で効果が感じられます。効果は約半年間で薄らいでいき、何もしなければ元の状態に。効果を持続させるには半年ごとに施術が必要ですが、施術は短時間で済みます。特別なスキンケアは必要なく、いつもの化粧品でOK。術後3時間経てばメイクもできます。
ボトックスはシワ治療のほか神経をまひさせ汗の分泌を抑えることで、脇や手のひらの多汗症を改善。最近ではエラの張った顔を小顔にする治療法としても注目されています。ただし効果があるのは骨格のエラではなく筋肉のエラのみです。筋肉のエラは食べる時にどちらか一方でかみ続けるなど、偏った筋肉の発達によっておこるもの。気になる部分にボトックスを注入し、フェイスラインをすっきり整えて小顔に近づけます。同じ働きを利用して、ふくらはぎを細くすることも可能。ハイヒールなどで筋肉がついたふくらはぎを、運動不足の状態に近づけ筋肉を落としていきます。
このようにボトックスはさまざまな効果が期待できますが、副作用の心配も気になるところ。人によっては施術した部位が重たく感じるといったケースもあるため、アフターケアのきちんとした信頼できる専門医を受診するのが良いでしょう。



