コラム

杉山孝男の人間学-22

養生とは「生命力」を養う!

(2017年4月6日号掲載)

「人生如何に生きるか」のテーマを掲げる人間学においては、病気療養法も大きなテーマになります。

現代では医療が進歩し、診察してもらう科も細分化され、治療もピンポイントの患部治療が行われ、難病も治る時代になりました。

あるお医者さんは「身体の患部の治療は終わりです。しかし退院後が大事です。病気になる前よりもっと元気なるという気持ちで生活するのですよ」と優しく説いてくれます。

健康と似た言葉に「養生」があります。養生とは「生命力を養う」ことです。昔は妙な祈祷治療も盛んでしたが、その一方で生命力を養うことにも真剣に取り組んでいました。生命力を養うとは、①人間は「自然界の人間種族の一匹﹂ですから、自然摂理に沿った生活から英気を養い続けること、②人間は「誇り高い万物の霊長」ですから、心魂を磨いて明るく元気に生きる気持ちを持ち続けることなどとなります。

養生法の名言も数多くあります。「暁(あかつき)に早起きを要し、夜は熟睡を要す」(言志四録)

人間を小宇宙とし自然界を大宇宙とする時、小宇宙の人間機能を最高に発揮するために、自然摂理に適合した生活を工夫するという教えです。「浩然(こうぜん)の気を養う」(孟子(もうし))

浩然の気とは、天地間に充満する生命力。天地間の生命力と身体内の生命力が共振連動すれば、大自然界の英気が我が胎内に宿ります。「軟蘇(なんそ)の法」(白隠(はくいん)禅師)

自然生命力を活用した療養法です。①まず坐禅をし、②天地自然に包み込まれゆったりした気分になる③次にこの世で一番の軟膏を頭に載せ、その溶け出した薬液が頭・胴・腰・足の順に浸透したと思う。④これを何回も繰り返し、そのつど、病気の症状が軽くなったと意識して喜ぶ。一種の暗示法ですが、医者の治療と併用すると効果が大きいようです。