コラム

菊野教授の人づきあいの秘訣【最終回】

バランスの取れた育児を楽しむ

(2017年9月28日号掲載)

静岡産業大学教授 博士(心理学) 菊野春雄

夜泣きやかんしゃくを起こす子と穏やかな子のちがいなど、前回は子どもの生まれ持った先天的な"気質"についてお話ししました。今回は、生活環境の中で育まれる後天的な"性格"についてご紹介します。

「子どもの性格形成は、親の態度が大きなカギを握っている」と提唱したアメリカの心理学者P.M.サイモンズは、親の養育態度を右図のような2軸で4つのタイプに分類し、親のタイプと子どもの性格の関係を研究しています。それぞれの軸が交わるところを「理想の子育て」としています。あなたはどれに当てはまりますか?

この縦軸は、親が子どもを「尊重」する度合いです。「あれをしなさい」「これはダメだよ」と、子どもの行動をコントロールすると、子が消極的になることもあります。その逆で、親が子どもの言うことを何でも聞いてしまう『服従』の傾向が強いと、子どもは自己中心的になりがちで、時には親の意見を聞かなくなることもあるようです。

自分を知り、子育てを知る

それに対して横軸は、親が子どもの気持ちを「受け入れる」度合いです。この傾向が強いと右側の『受容』に近づき、子どもは親に受け入れられ、安心感が強くて精神的に安定した子になりやすいです。反対に、親が子どもをあまり受け入れないで拒否をしすぎると、控え目で繊細になる傾向があるようです。

サイモンズ式のタイプ分けで皆さんの育児は、どれに該当しましたか? 時代によって推奨される育児にも違いが認められます。自分の育児のどの点が問題かと考えるよりも、育児にもそれぞれ個性があると考えた方がいいかもしれません。親御さんが自分の子育ての特徴を知ることや、子育てのいい点や特徴をどう生かしていくのかを考えていくという視点が重要です。

例えば、あなたの育児が過保護型であれば、子どもの優しさを再確認できます。無関心型の方に少し歩み寄ってみると、何かが変わるかもしれません。自分の育児の良い点を探して、バランスの取れた育児を楽しんでもらえれば幸いです。