コラム

杉山孝男の人間学-31

なぜ、人間学を学ぶか?  

(2017年12月7日号掲載)

学生から「なぜ人間学を学ぶか?」と質問され、バイクの性能とライダーの乗り方に例えて説明をします。

「A・B両君が250㏄のバイクを購入した。三日後に転倒したA君は恐怖心が芽生え、以後50㏄並みの慎重な乗り方になった。

一方、B君は順調に乗りこなし、恋人や仲間とツーリングも楽しみ、性能を充分に引き出した乗り方をしている。同性能のバイクでも、その後のライダーの乗り方次第でバイク人生が変わる」と。

「実は人間も『自分の命のライダー』である。上手な乗り方を工夫すれば人生も充実する。有史以来三千年間、人類の先人は『一限人生での命への乗り方』の工夫を重ね人間学の名著に残してきた。だからこれらの書物には生き方のエキスが詰まっている。だから学ぶのである。

さらに人間学の学びでは『承・活・伝の学び』が大切である。承とは先人から承る教え、活とはその教えを自分の人生で活用し向上させたもの、伝とはその教えを次世代に伝えることである。だからこの学びは人類三代の発展に繋がる学問であるから、別名『過去・現在・未来の三世の学び』とも云われる。この三世の学びを意識すると、君もスケールの大きな人物に......」と必死に説明します。

フランス語の「Noblesse Oblige=貴族階級の責務」は、地位にふさわしい自己鍛錬を怠るなという教えです。これが東洋的表現になれば、『政(まつりごと)を為(な)すには人に在(あ)り』(中庸[ちゅうよう])となります。政とは組織運営力、人とは指導者の人物力です。「ヤカン(組織)も大きくなれば、蓋[ふた](指導者)も大きくなれ!」と云われますが、人間学は指導者に不可欠な学問です。

幸いに人類の先人達は、多くの名言や行動記録を名著(論語・菜根譚・言志四録等)に残しています。変化の時代だからこそアタフタすることなく先人の教えを学ぶときです。

「東洋思想の名著に学ぶ」無料読書会

1月22日(月)午後6時半~8時半、名古屋大原学園浜松校3階(浜松市中区板屋町101-8)で開催します。受講無料・駐車は寿モータープールへ。053-455-4419