教育

バンド維新2013 作曲家編

管楽の響きは、ディアーナの息吹。

(2013年2月14日号掲載)

3/9(土)・10(日)バンド維新2013開催

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昨年7月、作曲家の加羽沢美濃さんは人生初の富士登山に挑戦した。

出発は夜明け前。辺りはまだ暗闇と静寂に包まれている。頂上を目指す彼女は、ある思いを抱いて坂を登り始めた。

――学生のために曲を書いていただけませんか。

そんな依頼が、浜松市文化振興財団からあった。毎年春にアクトシティ浜松中ホールで行われている「バンド維新」。プロの作曲家が作ったオリジナル曲を、中学・高校の吹奏楽部が演奏する音楽イベントだ。

映画音楽をはじめ、ピアノ曲やオーケストラ曲など幅広いジャンルの曲を生み出してきた加羽沢さん。だが、吹奏楽の作曲は手がけたことがなかった。

「これは自分にとっても大きな経験・挑戦になる。そう思って、お引き受けしました。ただ、終始、試行錯誤の繰り返しでしたね」

吹奏楽の最大の魅力は、管楽器の響きの豊かさにある。その響きで自然の力を表現できないか。そんなことを考えるうちに、思いついた。富士山に登ろう、と――。

歩き続けると、東の空が明るんできた。はるか彼方の地平線から、太陽がゆっくりと顔を出し始める。まばゆいばかりの輝きが、大地を優しく照らしていく。

彼女はこの時に受けた感動をもとに、一つの曲を書き下ろす。作品名は「ディアーナの息吹」。ディアーナは、ローマ神話に登場する森の女神だ。

「あらゆる生物にエネルギーを与える自然の息吹をイメージし、一つの物語のような曲に仕上げました。学生の皆さんが、どんな風に演奏してくれるのかとても楽しみにしています」

今年のバンド維新は、3月9・10日に開催。加羽沢さんの曲を演奏するのは、浜松海の星高校吹奏楽部だ。


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Profile
加羽沢美濃(かばさわ・みの)
1997年、東京藝術大学大学院在学中にCDデビュー。ピアニストとして活躍するほか、「チルソクの夏」「出口のない海」「ツレがうつになりまして。」などの映画音楽も手掛ける。高嶋ちさ子とのユニット「Chisa & Mino」をはじめ、全国で演奏活動中。

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【3月9日(土)13:30~】作曲家によるレクチャーと公開練習 
料金:一般席1500円
【3月10日(日)14:00~】作品発表コンサート 
料金:一般席2500円、学生席1000円、高校生以下無料

会場:両日ともにアクトシティ浜松中ホール 
チケット:全国チケットぴあプレイガイド(Pコード187-012)、浜松市文化振興財団HCFオンラインショップ(http://www.hcf.or.jp/shop/index.html)のほか、アクトシティチケットセンターなどで発売中 
問:浜松市文化振興財団 TEL.053-451-1151