教育

児童演劇「劇団たんぽぽ」その心(最終回)

子どものサインを見逃さないで

(2013年3月28日号掲載)

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上保節子(かみほせつこ)
1944年生まれ。静岡県川根本町出身。1964年、劇団たんぽぽに入団。2005年、代表就任。小学校で朗読や発声の講師も務める。

長年、幼稚園や学校を公演で回っていると、様々なことが見えてきます。寝る時間や休日、夏休み・冬休みなどを含めると、子どもが家庭で過ごす時間は3分の2あるそうです。ところが、最近感じるのは、親が子どもを学校に任せっぱなしにしながら、何か起きると学校の責任にすること。学校は教育するところであって、しつけをするところではないと、私は思います。

先生は一生懸命褒めて育て、危険な時にはガツンと注意します。親は「子どもが言うことを聞いてくれない」と嘆く前に、自分がどんな風に子どもと接しているか、振り返ってみてほしいと思います。

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友だち的な親子関係が増えていますが、それは子どもになめられる元。たとえば父親なら、たまには友だちの顔、時には威厳を持った顔、社会で頑張って仕事をしている顔、いろんなお父さんの顔を子どもに見せなくては。ダメなものはダメという規律とモラルは、きちんと家庭で教えましょう。家庭は一番小さな社会、人間教育の原点ですから。

子どもは、必ずサインを送っています。親がそのサインを見落としているんですね。たとえば、子どもが「見て見て、きれいでしょ」と、花を摘んで持ってきました。その時「あら、きれいね。どこに咲いていたの?」と聞けばいいのに、「そんなもの、捨てなさい」と言ったなら、もう子どもは見せようとしません。「ねえねえ、お母さん聞いて」と言ってきた時に、「忙しいから後にして」と答えているお母さん、「後」はいつか、ちゃんと約束していますか。「ごめんね、夕ご飯の時に聞くからね」。子どもは夕飯の時を待っています。「あ、ごめん!また忙しくなっちゃった。お風呂入って、寝る前に聞くね」。すると、子どもは寝る時に何のことだったか忘れてしまっている。でも、そんな時「お母さん忙しくしていてゴメンネ。あなたの話を聞きたいから、思い出したら話してね」と言い、ぎゅっとハグしてあげればいいんです。その日のことはその日に吸い出す。そして翌日は元気に送り出す。「あなたがいて、初めて家族だよ」という姿勢をどうぞお子さんに見せてあげてください。


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〈公演情報〉
第4回劇団たんぽぽ公演会inアミューズ豊田
めざせ!秘密のコッパ島

■日時:4月29日(祝)14:00〜
■会場:アミューズ豊田 ゆやホール
■料金:前売り1000円、当日1200円(3歳以下ひざ上鑑賞無料)
■チケット取り扱い:磐田市アミューズ豊田 TEL.0538-36-3211
■問い合わせ:劇団たんぽぽ TEL.053-461-5395

〈上保さんからのメッセージ 〉 今、劇団は「めざせ!秘密のコッパ島」の初演を控え、舞台装置や衣装製作の傍ら、演出を中心に稽古をしています。子どもたちのキラキラした目の輝きと笑顔を楽しみにしています。


公益社団法人教育演劇研究協会「劇団たんぽぽ」
1946年、浜松出身の女優・小百合葉子主宰の児童劇団として長野県で発足。
1953年、浜松市に移る。全国の小・中学校を中心に演劇公演を行っている。
1955年社団法人格を、2012年に公益社団法人を認定される。