教育

音の種まき 浜松市文化振興財団の挑戦

和洋折衷、いいとこ取り。

(2013年9月12日号掲載)

あんパンを想像してみよう。
中身は和菓子に欠かせない「小豆あん」。それを包むのは欧米文化のシンボルともいえる「パン」だ。あんパンが誕生したのは明治初期。文明開化が進む当時、あんパンは大和魂を持ちながら西洋のいいところを取り入れようとする運動の象徴として、爆発的な人気を誇った。

このように日本文化と西洋文化の出会いは、思いがけない化学変化をもたらすことがある。筆ペンの手軽さ、座椅子の心地よさ、空手チョップの力強さ…。生活の何気ないところに「和洋折衷」はあふれている。

今月29日に開催される「和洋奏楽」は、日本と西洋の音楽を融合させたコンサートだ。
吹奏楽や合唱に、琴・三味線といった邦楽器が一緒になってステージを作り上げる。出演者もプロの三味線演奏家から高校の吹奏楽部、平均年齢73歳の男声合唱団までと幅広い。

現代邦楽の作品を数多く手がける作曲家の和田薫さんは、このイベントのために全国各地の民謡をモチーフにした作品を書き下ろした。西洋音楽のリズムをベースにしつつ、八木節やソーラン節などを曲の中に取り入れたという。

「お祭りで歌われた民謡は、鑑賞のための音楽ではなく、日本人の生活の一部になっていたものでした。普段、聴きなじんでいる西洋の音楽を通じて、日本文化を再発見できるようなステージにしたいですね」

発売当初は奇抜な商品だったあんパンは、その後、日本を代表する菓子パンといわれるまでに成長した。2つの文化が織りなす「和洋奏楽」も、新たなスタイルのコンサートとして定着していくのかもしれない。

第3回 和洋奏楽