教育

母校の自慢行事 第16回

静岡大学教育学部
附属浜松小学校

(2013年12月12日号掲載)

倉田じいさん、ありがとう。野菜スープを作ったよ。

野菜の栽培からかまど作り、スープの調理まですべて子どもたちで行う。出来上がったら全校生徒で試食

静大附属小学校の一角に、小さな野菜畑があります。畑には大根や白菜、わけぎなどが植え込まれ、子どもたちが当番で水やりや草とりを行っています。

この畑には「くらたの畑」という名が付けられています。「くらた」とは、かつて同校の農業指導員だった倉田宇之吉さんのこと。大正8年から戦後にかけての約30年間、子どもたちへ作物を育てる心を教え続けた人でした。

スープの味はしょうゆ、味噌、コンソメ味から選ぶ。一番人気はコンソメ

手塩にかけて育てた野菜を収穫。「とったど~」

同校では毎年11月に、倉田さんの功績を称える「くらた祭」を行っています。3・4年生が畑で野菜を収穫し、スープ作りに挑戦。今年は11月27日に開催されました。

畑でとれた野菜は家庭科室に運んで、食べやすい大きさにカット。その間に、別グループが運動場でブロックを組み立て、かまどを作ります。鍋に野菜と水を入れたら、薪に着火!慣れない手つきながらも、子どもたちは楽しそうに調理を進めていきました。

出来上がったスープは、その日のお昼ごはんになります。下級生や上級生も運動場に集まり、みんなで試食会が行われました。豊田幸吉君(4年)は「水菜や大根をうまく育てられて良かった。白菜は虫に食われちゃったけど、楽しかったです」と話します。

倉田さんの思い出話を語る卒業生の由良さん。奥の顔写真が倉田宇之吉さん

今年は、倉田さんに農業を教わったという卒業生の由良幸代さん(73)も招かれました。「倉田じいさんはとってもやさしい方でした。『種をまく時は、種の大きさの1・5倍の土をかけて』と教わったことを思い出しますよ」と由良さん。「土のおじいさん」と呼ばれ、親しまれていた倉田さんの精神が今に受け継がれています。

【プロフィール】
倉田宇之吉
1867年、浜名郡佐浜村(現・浜松市西区佐浜町)生まれ。1919年に浜松師範附属小学校の農業指導員となり無償で奉仕する。1953年に亡くなるまで指導に当たり続けた。