教育

部活戦記

聖隷クリストファー中学・高校 少林寺拳法部
誰かのために、強くなる。

(2014年2月13日号掲載)

突きや蹴りの修練に励む部員たち。毎年、全国大会に出場する強豪校だ

キリスト教の根本原理といえば「隣人愛」だ。「あなた自身のように、あなたの隣人を愛さなければならない」という教えである。

実は少林寺拳法にも似たような言葉があるのをご存じだろうか。創始者である宗道臣は「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」を理念に、従来の東洋武術をもとにした少林寺拳法を編み出した。

「人のために強くなる」。そう考えるとキリスト教主義の聖隷クリストファー中学・高校に、少林寺拳法部があっても何ら不思議ではない…ともいえるだろう。事実、部員たちは仲間との絆を何よりも大切に考えている。

突きや蹴り、投げなど技の種類は400以上あるという

敵の攻撃を受け止め、反撃に転じるのが護身術である少林寺拳法の特徴だ

「少林寺拳法部で仲間と出会えたことが何よりの財産。今までは人見知りする性格だったけど、大きな舞台に立てて自分に自信がつきました」

中学から少林寺を始めたという石田叶恵さん(高校1年)はそう話す。石田さんと岡田理沙さん(高校2年)のペアは、昨年8月に行われた全国大会女子2段の部で優勝、世界大会では2位に輝いた。

勝ち負けを目的としない少林寺拳法では、決められた型を披露する「演武」によって技の精度やスピードを競い合う。技には突きや蹴りといった「剛法」と、つかまれた手を抜いたり相手を投げたりする「柔法」がある。これらを組み合わせた「剛柔一体」の精神は、少林寺拳法の大きな特徴の一つだ。

「自分から攻めるのではなく、相手の攻撃を利用するのが少林寺拳法。部員同士が息を合わせることで、美しい演武が生まれます」と部長の岡田東馬君(高校2年)。賞状がずらりと並ぶ武道場には、今日も気迫ある掛け声が響き渡っている。

◆聖隷クリストファー中学・高校少林寺拳法部
1995年創部。部員数47人。11月の県高校新人戦で男女とも総合優勝し、3月の全国大会に出場予定。静岡県少林寺拳法連盟・三方ヶ原道院の太田司さんが指導を行っている。

◆少林寺拳法とは
1947年、宗道臣が創設した日本の武道。「拳禅一如」を合言葉に、肉体と精神の両面を養うことに重きを置く。国内に約2000カ所の道場があり、世界37カ国に普及している。