教育

音の種まき 浜松市文化振興財団の挑戦

子どもの心に、クラシックの花が咲く。

(2014年2月27日号掲載)

浜松市内の小学5年生全員がクラシックを鑑賞。保護者や一般市民も一緒に聴くことができる

「まかぬ種は生えぬ」という言葉がある。何もしなければ、よい結果は得られないという意味だ。もちろん、まいた種がすぐに実を結ぶとは限らない。何年、何十年という月日がかかるかもしれない。

「こども音楽鑑賞教室」は浜松市内の小学5年生を対象に、毎年行われている音楽事業だ。市内全103校、約8000人の児童が、アクトシティ浜松大ホールでオーケストラの生演奏を鑑賞する。

児童がオーケストラの演奏に合わせて歌ったりリコーダーを吹いたりするプログラムもある

13年前から始まったこの取り組み。演奏するのは、浜松のプロオーケストラである浜松フィルハーモニー管弦楽団だ。楽団には浜松出身者が多く、子どもたちにプロの音楽家を身近に感じてほしいという願いが込められている。

「子どもたちにとって、オーケストラを生で聴く機会はめったにない経験。ティンパニーやコントラバスなど大きな楽器に興味を持つ子もいれば、指揮者やコンサートマスターの役割に注目する子もいます。さまざまな見どころを発見できるオーケストラの魅力を知ってほしい」

そう話すのは運営委員長であり、西気賀小学校の校長を務める大西真理子さん。鑑賞教室の前には、子どもたちにクラシック音楽の“聴き方”を紹介しているという。
「例えば指揮者や楽団の方々がステージに上がったら、拍手で迎えること。演奏に感動したら、拍手を続けてアンコールを求めること。今は十分に良さが分からなくても、大人になった時にクラシックに興味を持ってもらえるような教室になればと思っています」

音楽のまち浜松の次世代を担う子どもたち。彼らの心の中に根付いた種が、いつか花開くと信じている。