教育

結果を焦らず、生徒一人ひとりの目標に寄り添いたい

元Jリーガーの30歳校長が誕生。

(2014年4月10日号掲載)

サッカーで学んだことを教育に

元サッカー選手が、ひょんなことから学校の校長に……なんてテレビドラマにありそうな設定ですが、これは現実のお話。今年度、菊川南陵高校の校長に就任した金澤大将さんは、一昨年までプロサッカーチームに所属していた元Jリーガーです。

金澤さんは藤枝東高校出身。高校時代は現日本代表・長谷部誠選手らとともにプレーしていました。大学時代はサッカーに打ち込みつつ、教員免許も取得。6年間のプロ生活を経て、昨年、菊川南陵高校の体育教師に着任しました。
「もちろんサッカーを続けたいという気持ちもありました。でも、次のチャレンジをするなら若い方がいいと思い、次のステップに進む事を決めたんです。学校の理事長から『校長をやってくれないか』と言われた時は驚きましたが、いろいろな試みができるのが私立学校のいいところだと思い引き受けました」

サッカーで学んできたことを、高校生に伝えたい―。
そんな思いを胸に、日々生徒たちと向き合う金澤さん。生徒の中には、自分に自信がなかったり、人と関わることに苦手意識があったりする子も少なくないといいます。
「プロの世界は結果が全てですが、教育は過程が大切。すぐに結果を求めず、一人ひとりの目標を尊重した教育ができればと思っています。サッカーのように選手が主体となってプレーし、監督はその手伝いをするような関係を築きたい」

スポーツが生み出す絆の力

「菊川南陵」という校名が注目をあびたのは、昨夏の高校野球静岡大会。初戦から快進撃を続けたナインは、強豪・常葉菊川高校と決勝で対戦しました。結果は惜しくも破れましたが、名誉ある準優勝に多くの県民が拍手を送りました。
「チームが勝ち進むにつれて、応援席にいた生徒達の心が一つにまとまっていったのが印象的でした。初戦の時には興味なさそうにしていた子も、仲間が活躍する姿を見て学校に誇りを持てるようになったんです。人と関わることの大切さを実感した瞬間でした」

生徒達に夢を追いかける素晴らしさを伝えたいという金澤さん。30歳の若き校長として、挑戦は始まったばかりです。

[プロフィール]
昭和58年、榛原郡川根本町(旧中川根町)出身。藤枝東高校から東京学芸大学に進み、4年時に第23回ユニバーシアードサッカー競技大会に出場し、世界優勝に貢献。Jリーグの横浜FC、水戸ホーリホック、S.C.相模原でプレー。引退後に学校法人南陵学園・菊川南陵高校の教師に。2014年4月に校長就任。