教育

研究室にようこそ!地元大学の研究者にインタビュー

第4回 静岡理工科大学 志村史夫さん(物理学)

(2015年2月12日号掲載)

ウッドパウダーで地元林業を活性化

樹木は食べ物!おがくずでパンを作りました。

針山孝彦さん――生は「木を食べる研究」をしているそうですが…
志村 はい。スギやヒノキを加工するときに出る「おがくず」を細かく粉砕して、食べられる「スーパーウッドパウダー」を作っています。樹木の主な成分はセルロース、要するに食物繊維だから別に食べたって変じゃないでしょ。今は水窪にある雑穀料理店の「つぶ食・いしもと」の石本静子さんと一緒にいろいろなメニューを開発しているところ。パンやビスケット、ソーセージ……どれも3分の1が木材でできている食品です。

電子顕微鏡でみたウッドパウダー。細かな繊維の固まりであることがわかる

木材のおがくずを煮沸・消毒し、細かく砕いた食用のスーパーウッドパウダー

――おいしいんですか?
志村 違和感はないです。パンは口に入れると、木の香りがするかな。食べるとリフレッシュした気分になれる。今まで食べてくれた人のおよそ7割は「便秘に効いた」と言っているし、食物繊維だからダイエット食品として活用できそう。今は花粉症に効くかどうかを調べているところです。

――なんで木を食べようと思ったんですか。
志村 2年前に水窪の製材所を見学させてもらった時、大量のおがくずが目に留まった。製材所にしてみればただのゴミだけど、よく見るときれいだし、香りもいい。直感で「これ、食えるんじゃないか」と思いました。ほら、この粉を見て。ふりかけみたいでしょ?

――先生の専門は「半導体の研究」だそうですが。
志村 そう。ずっとハイテクの世界にいて、ITが発達する様を目の当たりにしてきた。だからこそ、古代人の建築技術とか、自然や生き物の持つパワーに驚きを感じるんです。一つのことを真剣にやり続けると、別な世界が見えてきますよ。今は日本の林業も衰退しちゃって、山林がお荷物みたいになっているでしょ。樹木の研究を通じて、地元の林業を活性化したいと思っています。

スーパーウッドパウダー30%配合の食品たち。低カロリーが売り