教育

人間関係がグッと良くなる。「ピアサポート」とはなんぞや?

(2015年3月5日号掲載)

浜松江之島高校の活動に注目

ワークショップを通じて相手を理解する能力を養う。友達の発言を邪魔しないのがルールだ

学校現場でのいじめや不登校などが問題視される中、「ピアサポート」なる活動が注目を集めている。ピアは「仲間」、サポートは「支援」を指す言葉。同じ立場の仲間同士で助け合って、校内の問題を解決していこうという取り組みだ。
「ピアサポートは1970年代にカナダで生まれた取り組みです。当時の調査によると、生徒が悩みを相談する相手は『友達』が80%だったのに対し、『教師』は10%しかいなかった。だったら、生徒自身が友達を支える力を身に付けようというのが主な考え方です」と話すのは浜松江之島高校の山口権治先生。同校では3年前から、日本ピアサポート学会の認定資格を持つ山口先生が指導を行い、普及に努めている。

今年は約30人の有志生徒が、ピアサポート活動に参加。1年間で10回の講習を通じて、コミュニケーション能力を高めるトレーニングを行った。訓練の内容は「話の聞き方」や「聞いた話の要約の仕方」など、相手の気持ちを理解するために必要な技術ばかり。「足し算トーク」や「名画作り」など、ゲーム感覚で仲間の絆を深めるワークショップにも取り組んだ。 「以前は人見知りだった」と話す岩崎寿哉君(3年)は「ピアサポートの活動に参加してからみんなと話せるようになった」と訓練の効果を実感。「大切なのは相手の話をしっかりと聞くこと。大学に行ったら自分がリーダーになって、この活動を広めたい」と意欲的だ。 年に数回は地域の小・中学校に出向き、ピアサポートの講習を行っている生徒たち。同校を拠点に、活動の輪が地域全体に広まっている。

ピアサポートのワークショップ

足し算トーク

  1. 「大切なもの」「なくなってほしいもの」といったトークのテーマを用意し、0~9の数字を振る
  2. 4人一組でジャンケン。全員の出した指の数を足す
  3. 1の位の数に当たる話題を時計回りに話す。一周したらジャンケンして新たな話題を決める

名画づくり

  1. 4人一組になり、一つの画用紙に丸や三角、四角などの図形を一人ずつ順番に描く
  2. 描き終わった作品のタイトルを、チーム内で意見を出し合って決める

「活動を通じて仲間との絆が深まった」と話す生徒たち