教育

生き物ウォッチ File.4

クラゲの繁殖力は、やわじゃない!

(2015年7月2日号掲載)

海中をふわふわと漂うクラゲ。透き通った体と、周期的に収縮する動きがなんとも神秘的な生き物だ。一見、優雅に泳いでいるようにも見えるが、実は彼らに海中を泳ぐ筋力はない。体の90%以上が水分でできていて、ひたすら海流に乗って浮いているだけなんだ。

カミクラゲ
浜名湖には18種以上のクラゲが住んでいる。写真のカミクラゲは髪の毛のように長い触手を持つが、毒性はほとんどない

アカクラゲ
強い毒を持つアカクラゲ。胴体の回りに40本ほどの細い触手が生えている

ウラシマクラゲ
透明な体を持つウラシマクラゲ。直径2cmとかなり小さい

そもそもクラゲはプランクトンの一種。「プランクトンって微生物のことじゃないの?」と思う人もいるかもしれないが、プランクトンは「水中を浮遊する生物」を指す言葉。体の大きさは一切関係ないんだ。

クラゲというとみんな毒を持っていて、刺されると痛いというイメージがある。だけど、実際は毒の触手を持つ「刺胞(しほう)動物」と、毒を持っていない「有櫛(ゆうしつ)動物」という2つのグループがある。毒の触手にはたくさんの刺胞があり、何かに触れると反応して毒針が飛び出すという仕組みだ。

ミズクラゲの一生

クラゲは魚と同じく卵から生まれるんだけど、成長の仕方は普通の生き物とはずいぶん違う。というのも、我々がよく見るクラゲの外見は、何段階かの成長を経てたどり着いた姿だからだ。

例えばミズクラゲは卵から産まれると、まず岩にくっついてポリプと呼ばれるイソギンチャクのような姿になる。これが微生物を食べて一定の成長を遂げると、体にくびれが生じて上の方から次々に分離。分裂して海中に投げ出された片割れはエフィラと呼ばれ、これが成長するとクラゲになる。

つまり、海に浮かぶ複数のクラゲたちは、元は一つの塊だったというわけ。時々、クラゲの大量発生が話題になるけど、ニュースの裏側には彼らが持つ驚きの繁殖能力があったのだ。

【取材協力】浜名湖体験学習施設ウォット
浜松市西区舞阪町弁天島5005-1TEL.053-592-2880
「ウォット」は浜名湖を体験学習できる水族館。生き物と直接ふれあえる水槽やタッチプールが人気で、毎週土曜日には体験教室を開催(要予約)。7月19日(日)~8月30日(日)は、特別展示「富士山静岡空港とナポレオンフィッシュの泳ぐ海」を開催予定。