教育

生き物ウォッチ File.5

網を使わず、トンボを釣る!

(2015年8月20日号掲載)

夏は昆虫も元気いっぱい!今の時季、水辺に行けばシオカラトンボやギンヤンマなど、たくさんのトンボを目にすることができるぞ。

大きな体と羽を持つギンヤンマ

シオカラトンボ(左)は最もポピュラーなトンボ。メス(右)はムギワラトンボと呼ばれ、黄色い体をしているのですぐに性別の見分けがつく

トンボの持ち味といえば、何と言ってもあの素早い動き。網で捕まえようとしても、あっという間に届かないところまで飛んで行ってしまうから大変だ。トンボの目の前で指をぐるぐるすると、目を回して動けなくなるなんて話もある。しかし、これとてビュンビュンと飛び回っているトンボには使うことができない作戦だ。

「ブリ」は上空を飛ぶトンボを捕まえる秘密兵器だ

なんとかして、あのトンボたちを捕まえる方法はないものか?昔の人は知恵を絞って考えた。その結果、なんと網を使わずにトンボを捕獲するテクニックを2つも編み出したのだ。

その一つは「ブリ」と呼ばれる秘密兵器。これは主にギンヤンマなど大きなトンボを捕まえる時に使う。作り方は簡単で、まず豆粒大の小石を布でくるんだものを2つ用意する。そして、その2つを1mほどの長さの糸で結ぶ。これで完成。

ブリが活躍するのは夕暮れ時。ギンヤンマは夕方になると、蚊などの小さな虫を食べるために上空を飛び回る。そこにブリを投げ付けると、ヤンマはエサだと思って飛びかかってくるのだ。こうなればしめたもので、あとは糸が勝手にヤンマの体に絡まり地上に落下。スピード自慢のトンボも、こうなってしまってはなす術なしだ。

釣り竿の先にメスのトンボをくくりつけて、オスを釣る。昔ながらのトンボ捕獲方法だ

もう一つはメスを使って、オスをおびき寄せる方法。メスのトンボを捕まえて、釣り竿の糸を体にくくりつけるのだ。この状態でオスのトンボの近くと旋回させると、オスは交尾をしようとメスにくっついてくる。あとは二匹ともども糸にからまって墜落……というのはブリの時の一緒だ。

つまり、ブリでメスを捕まえて、メスでオスを捕まえるというのが正しい手順。捕獲方法を使い分けられるようになれば、キミも立派なトンボ捕り名人だ。

【取材協力】桶ケ谷沼ビジターセンター
磐田市岩井315 TEL.0538-39-3022
さまざまなトンボや野鳥、植物が観察できる桶ケ谷沼。ビジターセンターではパネルや標本で貴重な動植物について知ることができる。9月5日(土)午後5時半から「鳴く虫観察会」、10月18日(日)午前9時半から「アカトンボ観察会」を開催。参加希望者は電話で申し込みを。