教育

生き物ウォッチ File.6

コオロギは意外とケンカっ早い!

(2015年9月3日号掲載)

コロコロリーと透明感のある鳴き声で、秋の訪れを感じさせてくれるコオロギ。万葉集や百人一首にも読まれているように、コオロギは昔から日本人に愛されてきた。

木の幹で生活するウスグモスズは鳴かないコオロギの一種

街路樹でリーリーと鳴く緑色のアオマツムシもコオロギの仲間

自然豊かな林に住むクチキコオロギ

コオロギが鳴く理由は、主にオスがメスをおびき寄せるため。彼らは背中の羽をこすり合わせることで音を出しているんだけど、その鳴き声には大きく分けて3つの種類があるのを知っているかな?

一つ目は自分の存在をアピールしたりメスを呼び寄せたりする「呼び鳴き」。これが最も一般的な鳴き声だ。二つ目は「求愛鳴き」といって、近くにいるメスを交尾に誘う時に出す。

エンマコオロギがオス同士でかみつきあったり、押し合ったりして戦っている

負けた方は逃げて、勝者は"勝ちどき"を上げる

最後は「闘争鳴き」。オス同士がケンカをして、戦いに勝った方が出す短い鳴き音だ。コオロギは縄張り意識が強い昆虫で、ほかのオスが近くにいるとすぐに闘いが始まる。

この性質を利用して昔から楽しまれてきた遊びが「コオロギ相撲」だ。発祥の中国では闘蟋(とうしつ)と呼ばれ、宮廷人の娯楽や庶民のギャンブルとして親しまれてきた。日本ではエンマコオロギやフタホシコオロギなどに相撲をとらせている。

やり方は器の中にオスのコオロギを二匹入れ、筆の毛先などでつついて刺激する。すると、興奮した二匹はお互いに取っ組み合って、かみついたり、前足で押したりして戦いを繰り広げる。決着はものの数秒。負けた方は敗走し、勝った方は羽を震わせて「闘争鳴き」、つまり"勝ちどき"を上げるのだ。

どんなコオロギが強いのか?という疑問に関しては、基本的に「デカい方が勝つ」というのが通説。人間の血を吸った蚊を食べさせると、最強のコオロギが育つという説もある。真偽のほどは定かではないが、大の大人もハマってしまうほどの面白さを持っていることは確かだろう。

【取材協力】桶ケ谷沼ビジターセンター
磐田市岩井315 TEL.0538-39-3022
さまざまなトンボや野鳥、植物が観察できる桶ケ谷沼。ビジターセンターではパネルや標本で貴重な動植物について知ることができる。9月5日(土)午後5時半から「鳴く虫観察会」、10月18日(日)午前9時半から「アカトンボ観察会」を開催。詳細は問い合わせを。