教育

母校の自慢行事 第43回
浜松市立

清竜中学校

(2015年12月24日号掲載)

浜松市立清竜中学校の生徒は毎年、地域に残る3つの郷土芸能を学び、校内で発表会を開いています。数百年の歴史を持つ伝統行事を知り、民族芸能の精神を知るきっかけになっています。

地域につなぐ、伝統芸能の精神。

学区の上野・青谷地域で行われている遠州大念仏。体育館に太鼓と鐘の厳かな音色が響き渡った

11月30日、浜松市天竜区にある清竜中学校で伝統芸能発表会が行われました。この行事は1年生が3つのグループに分かれ、「神澤おくない」「懐山おくない」「遠州大念仏」をそれぞれ披露。学区に残る伝統芸能を今につなぐため、生徒たちは半年かけて所作や楽器の演奏法を学びます。 清竜中学校は平成17年に二俣、下阿多古、上阿多古、熊の4つの中学校が統合されて開校した学校。統合の際、各中学校で行われていた伝統芸能学習を引き継ぐ形で、学区ごとに残る芸能の発表会が始まりました。生徒たちはビデオを見たり、先輩や地域の人たちから指導を受けたりして腕を磨いてきました。

懐山おくないの一幕、神の舞や獅子の舞を披露する生徒たち

「おくない」は1年の安全や五穀豊穣、子孫繁栄を願って正月に行われる舞。「遠州大念仏」は三方ヶ原の戦いで戦死した人を弔うために始まったとされる郷土芸能です。

生徒たちは篠笛や太鼓を演奏し、神秘的な音色に合わせて剣の舞、鬼の舞、獅子の舞などを保護者や地域の人々に披露しました。

「神澤おくない」で禰宜(ねぎ)を務めた大石駆琉(かける)君は「神沢のおくないは地元の芸能で、小学校の時に参加したことがあります。セリフを覚えたり、扇子を動かしたりするのが難しかった」と、場内を包む神妙な雰囲気に緊張した様子。

神澤おくないの鬼の舞。赤鬼・青鬼・黒鬼が飛び跳ねるように舞う

生徒を指導した地元の大石伝次さん(97歳)は「大念仏は400年、おくないは700年の歴史がある伝統行事。先祖代々伝わってきたものを、みんなが一生懸命やってくれて嬉しい」と話します。

生徒の有志は1月3日に懐山、1月4日に神沢で行われる「おくない」にボランティアで参加予定。地域の伝統行事の担い手が、中学校から育っています。