教育

生き物ウォッチ File.9

「牡蠣」は牡(おす)しかいないってホント?

(2016年2月4日号掲載)

カキは大きいもので15~20cmぐらいまで成長する

カキは漢字で「牡蠣」と書く。意味は「オスのごつごつした貝」といったところだが、なぜ「牡」の文字が入っているのかご存じだろうか?

日本で捕れるカキは「マガキ」が一般的。実はマガキは産卵期が終わると、オスでもメスでもない中性の状態になる。昔の人はこの中性の状態を見て、オスしかいない種類の貝だと考えたそうだ。

マガキは産卵期を迎えるたびに、オスとメスに分かれて子孫を残す。この時、栄養をたっぷり蓄えたものがメスになり、あまり栄養がとれなかったものがオスとなる。つまり身が大きくておいしいのはメスのカキってわけだ。

卵から生まれたマガキは海中を漂いながら、プランクトンを食べて成長。2週間ほど経つと、海底に降りて付着する場所を探し始める。頃合いの場所を見つけると、貝殻からセメントのようなものを出して自分自身を固定。一生、動くことなくその場所で暮らす。

浜名湖では明治20年ごろから
カキの養殖が始まった。
現在はカキ棚を作って海中に
吊り下げる方法で養殖されている

カキは殻の隙間から海水を吸い込み、エラを通して呼吸をしている。カキのろ過する海水量は1時間で10ℓになるといわれ、海の浄化にも一役買っているという。この時、吸い込んだ海水に含まれるプランクトンをエラでこし取って食べている。

市販のカキには「生食用」と「加熱用」があるけど、これは体の中にいる細菌の数によって分けられている。細菌の数が少ない海で育ったカキだけが、生食用として出荷されるのだ。

アサリやハマグリは左右の殻が同じ形をしているけど、カキは左の殻が膨らむように成長するのが特徴。余談ながらカキの殻をむく時、新居町の養殖業者は左殻を外し、右殻に付いた身を切り落とす。一方、お隣の舞阪町では右の殻を先に外す。なぜ隣り合った町でむき方が反対なのか、理由はよく分かっていないそうだ。

カキの育つ環境によって
殻の形も変わっていく
カキの殻の内外には小さな生き物が暮らしていることもある
オオシロピンノ
フジツボ
イソガニ

【取材協力】浜名湖体験学習施設ウォット

浜松市西区舞阪町弁天島5005-1 ☎053-592-2880
「ウォット」は浜名湖を体験学習できる水族館。生き物と直接ふれあえる水槽やタッチプールが人気で、毎月土曜日には体験教室を開催(不定期・要予約)。3月20日(日)~31日(木)は、特別展示「富士山静岡空港とマングローブのゆかいな生き物たち」を開催予定。