教育

生き物ウォッチ File.10

なぜヒキガエルは生まれた池に帰ってくるのか?

(2016年3月10日号掲載)

ヒキガエルのエサはミミズや虫など。
動くものしか食べない

「ガマガエル」の愛称で昔から日本人に親しまれてきたヒキガエル。体長10~15cmほどの大きさで、日本の在来種では最も大きな種類のカエルだ。主に森の中に住み、冬の間は落ち葉の下や土の中で眠って過ごす。

春が近づき、雨が降り始めると、ヒキガエルは活動を始める。子孫を残すため、一目散に水辺を目指すのだ。ご存じの通り、カエルの幼生はオタマジャクシ。それゆえ、カエルは水のあるところで産卵を行う。

今の季節、自然豊かな水辺に行けば何十匹というヒキガエルの大群に出会うことができる。オスたちはメスを奪い合って、押したり引いたりの大乱闘を繰り広げる。俗にいう「カエル合戦」だ。一匹のメスの背中の上で、何匹ものオスがこんがらがっている光景も珍しくない。

女子のあこがれ「あすなろ抱き」で
メスの背中にしがみつくオス

ヒキガエルは自分の故郷の湿地で産卵を行う。子孫を確実に残すため、自分が生まれ育った湿地に"カエル"のだ。でも、どうして自分の生まれた池を忘れずに覚えていられるのだろう?

実はヒキガエルは「におい」で自分の生誕地を記憶している。オタマジャクシからカエルになって池から出ていく時、周辺のにおいを脳にインプットしておき、成長したら記憶を頼りに戻ってくるのだ。

交尾中のオスは、メスの背中にがっしりとしがみついて離れない。そのパワーたるや、人間が無理やり引っ張っても容易に引き離せないほど。交尾への執念はハンパではないのだ。

体の色は成長するにつれ、
普段暮らしている場所に似せて変化する

さらに、ヒキガエルは身の危険を察すると、耳の後ろから毒液を出す。猛毒というわけではないが、目に入ると炎症を起こす場合もある。交尾中のヒキガエルを見かけても、二人の中を引き裂くようなマネはしないほうがいいだろう。

春が来ると毎年同じ池に
集まって交尾を始める

静岡県立森林公園ビジターセンター「バードピア浜北」奥田裕介さん

浜松市浜北区尾野2597-7 TEL:053-583-0443

4月10日の午後10時半と午後1時半から「ガイドウォーク~うっとり春の花さんぽ~」を実施。4月16日は「ちびっこワクワク森あそび」を午前9時半~午後1時半に開催。対象は年小・年中の幼児とその保護者。各イベントの参加希望者は電話で問い合わせを。