教育

花鳥風月-今月の自然

蓮(はす)

(2016年7月7日号掲載)

仏の化身と呼ばれた花

水面にスッと立ち、ゆったりと花弁を広げる蓮たち。6月末から7月初旬にかけて、蓮の花は見ごろを迎える。蓮は古くは「ハチス」とも呼ばれた。花の中央にある花托(かたく)が、まるで蜂の巣のような形をしているからだ。

蓮はインド原産といわれ、仏教を象徴する花でもある。お釈迦様が蓮の花の上に座っている絵や彫刻を見たことがある人も多いだろう。蓮は泥水の中で生まれ、きれいな花をつける。その姿から、俗世の煩悩に飲まれることなく、清らかに生きる仏教の教えを体現していると考えられるようになったという。

古くから詩歌に詠まれてきた蓮の花。春は芽、夏は花、秋は実、冬は枯れた姿と、1年を通して詠まれる身近な植物だ。ある日、田の一角に咲く蓮の花を見付けた。西風が吹くと、背の高い花から揺れる姿がよく分かる。

蓮の葉には「ロータス効果」といって、水をはじく力がある。雨水が葉の上に落ちると、水晶のような透明な玉を作るのだ。この面白い現象に注目したのが、古代の万葉歌人たち。水玉が風に揺らいで葉の上を行ったり来たりする光景に、自分の揺れる恋心を重ねて歌にした。

蓮の花びらは朝に開き、午後になると閉じてしまう。開花から4日を過ぎると、花びらが一枚ずつ散っていく。中華料理に使われるスプーンのことを「蓮華」と呼ぶが、これは散った蓮の花びらの形が由来。蓮の根っこはレンコンとして食されるなど、昔から暮らしに密着した植物だった。

【取材協力】万葉の森公園

浜松市浜北区平口5051‐1 053-586-8700 7月31日(日)午前10時~午後3時に「こどもまんようまつり」を開催。子供向けのクイズ大会や瓜割り大会、スタンプラリーのほか、無料・有料イベントが多数行われる。