教育

花鳥風月-今月の自然

蝉(せみ)

(2016年8月4日号掲載)

意外と長生きな昆虫

夏になると、あちらこちらから聞こえてくる蝉の声。クマゼミは「シャーシャー」、アブラゼミは「ジィージィー」、ニイニイゼミなら「ヂー」というように、種類ごとに特色ある鳴き声を聞かせてくれる。

蝉が鳴くのは、メスを引き寄せて交尾をするためだ。つまり、鳴くのはオスだけ。鳴き声に耳を傾けると、単調に鳴いているのではなく、まるで歌を歌うように鳴いているのが分かるはずだ。

蝉が鳴く時間帯は種類によって違う。例えばクマゼミは午前中、アブラゼミは午後によく鳴く。違う鳴き声が被り合うと、メスが聞き分けられなくなってしまうからだ。お互いに気持ち良く鳴くため、譲り合って鳴いているのだ。

子どもの頃、蝉を捕まえようとしておしっこをひっかけられたという人も多いだろう。この習性は蝉のエサと大きく関係している。

というのも、蝉は口が針のようになっていて、これを樹木に刺しこんで導管(水の通り道)から水と一緒に栄養素を補給するといわれている。食事を済ませた蝉のおなかは水分でいっぱい。そのため、飛び立つときには少しでも体を軽くしようと、体内の水分を排出=おしっこをするというわけだ。

猛暑の中、命が尽きるまで精いっぱい鳴き続ける姿は心迫るものがあるが、蝉の寿命は1カ月程度と思ったよりも長い。よく「1週間しか生きない」と言われるが、これは飼育が難しくて人間が飼うとすぐに死んでしまうことから生まれた俗説。幼虫時代は1~5年、土の中に暮らしている。全体的には結構、長生きする昆虫なのだ。

8月4日は濱人忌。濱人は教職の傍ら、昭和14年3月、俳誌みづうみを浜松において創刊した。掲句は夏休みに沼津から帰省、生家の前で人力車を降りたところを詠んだ句。仕事にも慣れ、一人前になった自分を家族に見せることができる喜びが伝わってくる。(文・笹瀬節子)
【取材協力】磐田市竜洋昆虫自然観察公園

磐田市大中瀬320-1 0538-66-9900

8月中はガイドウォークを毎日開催。スタッフが園内を案内し、さまざまな昆虫を観察する。時間は午前11時、午後1時、午後2時の3回。屋内施設ではクワガタムシ展も開催中、8月14日(日)・21日(日)は昆虫採集体験も行われる。