教育

花鳥風月-今月の自然

紅葉-こうよう-

(2016年11月3日号掲載)

水辺に紅葉の名所あり

晩秋、小國神社に紅葉狩へ。境内に広がる木々は赤々と色づき、脇を流れる川面に映える。聞こえるのは水流の音だけ。今年の秋もまた、静かに暮れてゆく。

青々とした緑色の葉が、赤や黄色に色づく季節。晩秋の楽しみといえば、何といっても紅葉だろう。紅葉は樹木が冬を迎え、葉を落とそうとする中で生まれる現象だ。

通常、樹木は葉の中にある葉緑体によって光合成を行い、エネルギー源となるブドウ糖を作っている。葉が緑色をしているのは、葉緑体に緑の色素が含まれているからだ。ところが、冬は日照時間が短いため、光合成の効率が悪く、葉緑体がだんだんと減っていく。

一方、葉の中にはカロチノイドという黄色の色素が元から備わっている。そのため冬が近づくと、緑が色あせ、黄色の色素が目立ってくる。これがイチョウやポプラの葉が黄色く色づく原因だ。

では、赤色は?これは樹木が葉を落とそうと、葉の根元に「離層」という隙間を作るために起こる。隙間ができると葉に水分が行かなくなり、葉の中のブドウ糖の濃度が上がる。すると、化学変化によってブドウ糖がアントシアニンに変わり、葉が赤く色づくようになるのだ。

以上のような理由から、美しい紅葉は日光がたくさん当たり、昼夜の気温差が大きい場所が良いとされる。乾燥していると色づく前に落葉するので、適度な湿気も大切。紅葉の名所の近くに、滝や川といった水辺が多くあるのはそのためだ。

小國神社の紅葉の見頃は11月中旬〜12月初旬
【取材協力】静岡県森林・林業研究センター

浜松市浜北区根堅2542-8 053-583-3121

12月1日~13日、静岡県立森林公園バードピア浜北で「分かりやすい森林・林業」をテーマにしたパネル展を開催。建築木材の強度や、鹿による林業の被害状況など、森林にまつわる研究の成果を紹介する。

【写真協力】遠江國一宮 小國神社