グルメ

料理人のこだわり プロの道具

It's cool! シェーカー

(2013年2月28日号掲載)

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温度と味と…。
カクテルの運命を司る円筒のマジック

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BAR THINK マスター 鈴木宏明さん

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オーダーが入るたびに冷蔵庫から取り出されるシェーカー。冷えたボディに洋酒と氷を入れ、鈴木宏明さんはリズミカルにシェークを始める。しなやかな手首のスナップとともに、ジャッジャッと液体の踊る音が響く。と同時に、霜のベールがボディを包む。そうして完成したカクテルは、漉し穴の開いたストレーナーを通してグラスに注がれる。

お客様に“満足感”を提供する一杯を作る。「バーテンダーの仕事を一番表現できるのがシェーカーだと私は思います」。そう話す鈴木さんのシェーキングは一点集中。全神経をシェーカーに集め、決して見ることができない円筒の中で変化し続けるカクテルを作り上げる。

「シェーカーには、冷やす、混ぜるのほかに、もう一つ役目があります。それは、お酒の粗さを取り、口当たりをなめらかにすること」。この「口当たり」は、お酒に空気を含ませることで生まれる。素人がシェーカーを振ると氷が解けてお酒が薄まってしまうが、バーテンダーが振ると気泡が生まれ、味を柔らかく変化させる。

カクテルが泡なしでは語れない飲み物だということを証明する一杯が『カンパリシェカラート』。「このカクテルの材料はカンパリリキュールと氷だけ。カンパリ自体を冷やしておけば、シェーカーで冷やしたり混ぜたりする必要がありません。でも、口当たりだけはシェークする以外に再現する方法がないのです」

そう言って、マスターは今夜も15組のシェーカーを冷蔵庫にスタンバイさせた。

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マスター思い出の一杯 『パラダイス』
ジン、アプリコットブランデー、オレンジジュースを合わせたスタンダードカクテル。鮮やかな黄色が楽園のような華やかさを感じさせる。先代マスターがこのカクテルを作る姿を見て、鈴木さんはバーテンダーになることを決めた。

2月限定メニュー
毎月、季節を感じる月替わりのフルーツカクテルが登場。2月のフルーツは「ゆず」。ピールを漬け込んで作る柚子リキュールはマスターのお手製。

 
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BAR THINK
浜松市中区板屋町102-17 TEL.053-452-6009
日本バーテンダー協会浜松支部副支部長、スコッチ文化研究所浜松支部代表世話人を務めるマスターが迎える本格バー。カクテルはもちろん、シングルモルトウィスキーも豊富で、バックバーには400種類の洋酒が並ぶ。カクテル、ウィスキー900円〜、テーブルチャージ500円。