グルメ

ルビーのようにつややかな粒

小豆の魅力!

(号掲載)

夏真っ盛りの7月下旬から8月下旬に愛らしい黄色い花を咲かせた小豆。この花はやがてルビーのようなツヤを放つ赤い小豆となります。

古くは古事記や日本書紀にも記され、薬用効果として、利尿作用、便通改善、解毒作用などがうたわれました。江戸時代には毎月1日と15日に小豆ご飯を食べる習慣もあったとか。現在でも赤飯、おはぎ、小豆粥、汁粉など、多くがおめでたい日や行事食の主役の一つとして存在感を発揮しています。なお、小豆の用途の80%以上は製あん、菓子で占められており、甘党にはなくてはならない食材でもあります。

静岡県立大学短期大学部一般教育等・准教授 内藤初枝さんさて、健康食材としておなじみの小豆の栄養について、特記すべきは良質なたんぱく質の指表となるアミノ酸価についてです。アミノ酸価とは、人体で合成できないため食べ物から取る必要がある9種類のアミノ酸(必須アミノ酸)の、食材に含まれるバランスの良さを最高値100として評価したもの。肉、魚、卵などの動物性食品はすべて100なのに対し、米や小麦など植物性食品のほとんどは40~65と低い数値です。ところが、小豆はなんと84!大豆の86とともに高いアミノ酸価を誇示しています。古来から健康長寿への願いを込め、“はれの日”に小豆を食べる食習慣が引き継がれてきたのも合点がいきます。

さらに注目したいのが小豆の外皮です。皮の赤色色素にはアントシアニンという抗酸化作用を有するポリフェノール類が、また小豆を煮るときに出る泡には、渋み・苦みなどのえぐ味成分で利尿作用を有するサポニンもたくさん含まれています。いずれの成分も多くが煮汁に溶け出し、ゆでこぼされますが、汁粉や赤飯、小豆とかぼちゃを一緒に煮た「いとこ煮」などは煮汁を有効活用したお薦めの料理です。

【内藤先生から読者の皆様へ】
身近な旬の食材を題材とした「食材と栄養コーナー」も今回が最後。テーマの食材が輝き、皆様に新しい知識の種をお届けできるよう、創意工夫して参りました。掲載した食材には深い愛着を感じております。貴重な機会をありがとうございました。