グルメ

料理人のこだわり プロの道具

のし棒

(2013年9月26日号掲載)

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きむらや主人・ 木村剛さん

硬派な細木で生地をのす。クルクル、グググッ…この技でコシを生かす。

注文に応じて麺を打つ きむらや主人・木村剛さん

鬼に金棒ならぬ、大将にのし棒。
きむらやの大将が打つのは、うどん県・香川で学んだ讃岐うどん。長さ93cm、太さ約2cmの硬いのし棒に生地を巻いて真一文字に置き、両足を踏ん張って全身の力で生地をのす。

こののし棒は、10年ほど前に修行先で手に入れたもの。浜松での出店が決まると、師匠がのし棒職人に頼んで新調してくれたのだ。
「そりゃ、うれしかったですよ。その職人さんは、これを作って引退したそうなので、最後の一本です。一生使い続けます」

讃岐うどんはコシが命。暑い日はグルテンが早く生成するため、気を抜くと茹でる前から生地が伸びてしまう。逆に寒い日はのしてものしても縮んで戻ってくる。その力加減は、のし棒にかける自分の体一つでしかできない。生成機械も発達したが「機械と手打ちの味の違いを知ってもらいたい」と手打ちで、つるつるシコシコの讃岐うどんを作り上げる。

うどんは何より打ちたて、茹でたてが一番。厨房では、いつでも大将ののし棒さばきが目の前で見られる。

きむらや純手打ち讃岐うどん きむらや
浜松市中区菅原町9-28
11:00~14:00(麺がなくなり次第終了)
水曜 電話なし
街中にも関わらず、きれいな井戸水でうどんを打つ讃岐うどん専門店。食券、カウンターのカジュアルなスタイル。"生き物"とも言われるうどんは、出されたらすぐ食べるのが、おいしく食べるコツ。