グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ①

味噌

(2013年10月3日号掲載)

栄養豊富な大豆に発酵パワーがプラス

日本には、「味噌は医者いらず」、「味噌汁一杯三里の力」といった、味噌にまつわる言い伝えがあります。味噌には高い栄養価と病気を防ぐ力があることを、昔の人は経験的に知っていたのでしょう。

米味噌・麦味噌・豆味噌味噌には大きく分けて、米味噌、麦味噌、豆味噌の3つがあり、いずれも主原料は大豆。良質なたんぱく質や脂質、糖分、ビタミン、ミネラルなどの栄養が豊富に含まれています。これに、麹や塩を合わせて発酵のパワーが加わることで、たんぱく質が消化されやすくなり、栄養価もさらにアップ。旨味の元であるアミノ酸も多量に出てきます。

薬膳・漢方の面では、体の中の余分な水分を排出するので、むくみやのぼせ、熱がこもっているときにおすすめ。また、がんをはじめ様々な生活習慣病予防に役立つ成分が豊富に含まれているといった多くの研究報告がされています。もう一度、日本の伝統食を見直し、健康を支える味噌を食生活に取り入れたいものですね。

ちょっと豆知識

長崎の被爆医師、秋月辰一郎博士は自身の体験記「長崎原爆記」で、被爆した際、患者や職員にわかめの味噌汁を飲ませたため、原爆症が発症しなかったと記述。チェルノブイリ原発事故の際、ヨーロッパで「味噌は放射能障害に効果がある」と広まり、味噌の注文が殺到したという。日本でも福島原発事故の際、味噌の力に注目が集まった。

免疫力アップに手軽なけんちん汁をどうぞ

味噌は塩分の取り過ぎを心配する方がいますが、カリウムが多い野菜や芋類、海藻類を組合せると、ナトリウムが体外に排出されます。具だくさんの味噌汁は、塩分の取り過ぎを防ぎ、腸の働きも活発にしますから、まさに「味噌汁一杯」が未病を防ぎ、健康な体を作るというわけ。これから根菜類、里芋やきのこが美味しい季節。免疫力を高める味噌の良さを活かした、けんちん汁を作ってみてはいかが。

けんちん汁を作ってみよう!

作り方
けんちん汁一口大に切った大根、人参、里芋、こんにゃく、ささがきごぼう、舞茸、豆腐の順にごま油で炒め、出し汁を入れて味噌(カップ1の出し汁に対し、大さじ1)で味付けし、長ネギを散らして火を止める。

免疫力を高めるポイント
秋は空気が乾燥してくるので、のどや肺を痛めやすく、便秘がちに。夏の疲れが響く時ですが、野菜と味噌の働きにより腸を活発にし、体内にたまった熱をとってくれます。また、舞茸をはじめきのこ類は免疫効果が高い食材。冷え性の人は生姜や酒粕を加えるといいでしょう。

鉄火味噌

作り方
鉄火味噌薄いささがきごぼうを砂粒ぐらいにみじん切りにしてごま油で炒め、炒り大豆を混ぜ、黒砂糖を加える。味噌と混ぜ合わせ、醤油少々を入れる。根気よく弱火で2~3時間炒める。人参や生姜のみじん切りを加えても良い。

免疫力を高めるポイント
ミネラルやビタミンを多く含んだ、香ばしい保存食。黒豆にするとさらに栄養価が高く、ぜんそくをはじめ、病人や体が弱っている人に有効。ふりかけやおにぎりの具に適しています。

一夜味噌漬け

一夜味噌漬け作り方
容器に味噌を2cmほど敷いた上に食べやすい大きさに切った野菜(人参、キュウリ、ごぼう、大根など)を並べ、その上に味噌をのせるだけの簡単味噌漬け。翌日は上の味噌を下にするとよい。下の味噌は料理に使うと便利。

免疫力を高めるポイント
中国では、醤油や味噌の原料「醤(ひしお)」にキュウリなどを漬けたと6世紀の文献に記録。食物繊維や乳酸菌が豊富で、腸の働きを活発にし、生活習慣病の予防にも役立ちます。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。