グルメ

料理人ストーリー

Sho Nakanishi ― 中西 翔

(2014年6月26日号掲載)

伝統料理を再構築。ボクの調理はすべて必然です。

自家製のドライエイジングポークで仕上げた「希少奥浜名湖産 竜神豚の黒酢酢豚(1890円)

黒光りしたソース、ゴロリと皿を陣取る豚肉。そこにベリーが愛らしく散りばめられ、野菜とともに彩りを添えている。中西翔さんが作る酢豚は、明日さらに発展しているかもしれない―。

4歳から包丁を握り、調理学校時代には模範生として腕を披露してきた中西さん。ところが卒業して飛び込んだプロの厨房は厳しく、先輩料理人と同レベルを求められた。調理法への疑問も「こういうもんだから、それでいい!」と一蹴され、自慢の鼻はまたたく間にへし折られた。

「ボク、プライド高いんで負けるの嫌なんですよ(笑)」
この反骨精神が、今の料理の礎となった。

香り豊かな「うなぎの四川唐辛子と花山椒の竜神バーナー強火炒め(3600円)

中西さんは厨房で生まれた疑問を解くため、伝統料理を分析し始めた。料理名に付けられた調理法から調理中の化学反応まで、徹底的に理論を研究し、頭の中で再現できるまで伝統料理を追求していた。そんな時、水戸の修行先の料理長の一言が胸に刺さった。

「自分の味を表現すればいい」料理長の料理は伝統料理とは異なるが、自分の理想の味を実現しており、ウマかった。

その後、満を持して自分の店を構えた。目指すのは“シンカ”し続ける中国料理。シンカには『』深化・進化・真価』の3つの意味がある。「伝統料理のレシピは一例。ボクはそれがすべてだなんて思いません。ボクは料理に明確なコンセプトを決め、必要な調理法を理論的に決めるから、ボクの調理は必然の調理法なんです」

こうして生まれた料理の中には2000円の担担麺など破格のメニューもあるが、その理論はこうだ。「高い料理は誰もができることじゃない。それに、たった1品でもコースに勝る満足感を与えられるクオリティーがあればいい」

Sho Nakanishi

中西 翔。多彩な調理法に惹かれて中国料理の道へ。2年前、28歳で「ロン」を開店。店名に息子の名前「龍」を付ける子煩悩な一面を持つ、30歳の若き料理人。

EVOLVE CHINA LON(エヴォルヴ チャイナ ロン)
TEL.053-439-1919
浜松市北区三方原町1435-7
営業時間:18:00~24:00
定休日:月曜
【URL】http://www.evolvechina-lon.com/