グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑨

ビワ

(2014年7月3日号掲載)

実は咳止め、美肌効果。葉と種は薬効成分たっぷり。

ビワ

ビワはタンニンやポリフェノールを含んでいるため、切ったらすぐに水に浸けることで変色を防ぐことができる。葉は古いものほど薬効が高いので、3年以上経った色が濃く葉がごわごわ盛り上がったものを秋に採取すると良い。
お茶のほか、焼酎漬けにして痛みや痒み止め、そのまま温湿布など外用にも重宝。

6月から7月初旬にかけて、オレンジがかった黄色い実をつけるビワの木。三千年も昔、『涅槃経』というインドの古い仏典の中で、ビワの木は「大薬王樹」、葉は「無憂扇」と呼ばれ、万病を治す薬効高い植物として記されています。
日本には奈良時代に仏教とともに中国から伝来。聖武天皇の妃、光明皇后が創設した施薬院では、ビワの葉療法が行われていました。
浜松市細江町の金地院では、ビワの葉を炙って患部に当てる療法が評判となり、全国から難病の人が訪れたそう。身近なところでもビワ療法は盛んだったのですね。

ビワの栄養は糖質のほか、カロチンが豊富で果物の中でもトップクラス。ビタミンB群、リンゴ酸、クエン酸、鉄分、ビタミンCも含んでいます。
葉にはビタミンB1、サポニン、タンニン、ブドウ糖などが含まれていて、咳痰を鎮め、健胃、疲労回復、利尿、美肌効果が期待され、昔からお茶や外用に使われてきました。
また、薬膳中医学的にみると、ビワの実は涼性で身体を少し冷やす作用があるので夏に向いています。
葉は平性なので温寒どちらにも偏らず、乾燥させたものは効能が高いため、漢方薬として古くから用いられています。

料理や涼しいデザート、保存して飲用・外用に

ビワ

種には強力な薬効があるので、実を食べたら洗って乾燥。薄皮を剥がして蜂蜜漬けや焼酎漬けにしてエキスを作ると便利。ただし、食用にする場合は摂りすぎないよう注意を。

ビワの実は生のまま長く保存できないので、多く入手した時には甘く煮たコンポートやハチミツ漬け、ジャムにしましょう。

種は杏仁の代わりにデザートに使えるほか、黒砂糖で煮たり、ハチミツとともに焼酎漬けにして水やソーダで割ってドリンクにしたり。

葉はお茶にすれば健康維持に役立ち、生葉は痛み止めや温湿布に、焼酎漬けにすれば虫刺されや火傷などの外用に重宝。
薄めて自然のローションとしても使えますよ。

ビワのコンポート杏仁豆腐

ビワのコンポート杏仁豆腐皮を剥いて種を取り、レモン汁を振ったビワの実を小鍋に入れ、ハチミツと水半々を実がかぶる程度入れ、煮詰める。白ワインを加えても良い。牛乳かんを作る要領で人数に応じて杏仁豆腐を作る。棒寒天か粉寒天を煮溶かしておく。ビワの種をすりおろし、豆乳か牛乳の中に入れる。黒砂糖、きび砂糖などで甘味をつけ、型などの容器に入れ冷まし冷蔵庫へ入れる。器に杏仁豆腐を盛り、その上にビワのコンポートと、あれば水で戻したクコの実をのせる。

ビワと大根のサラダ

ビワと大根のサラダビワは皮を剥いて種を取り、レモン汁を振っておく。そこに千切りの大根を加え、梅酢(なければ酢と塩を少々)で混ぜれば出来上がり。
しらすを混ぜたり、青みをのせたりしても良い。

ビワの葉茶

ビワの葉茶ビワの葉は裏の産毛を取るようによく洗い、日陰で干す(袋に入れて干しても良い)。ザクザクと2cm角程度に切り保存。
水1.5ℓに対しビワの葉一掴みを入れ、20分ほど煮出して飲む。一晩置くとさらに薬効が増すとも。

ビワエキスカクテル

ビワエキスカクテルビワの実や種を焼酎かブランデーに漬けたものを水や炭酸水で割って飲むと美味しく健康的なカクテルに。
ハチミツ漬けのエキスで作ると子どもでも飲めるビワジュースになる。いずれも1年ほど寝かせた方が良い。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。