グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑩

梅干し

(2014年8月7日号掲載)

疲労回復、整腸作用。防腐・殺菌効果も。

梅干し

お弁当やおにぎりに梅干しを入れると、夏バテ気味でも食欲をそそり、防腐・殺菌作用も期待できる。

おにぎり、お弁当など、梅干しは日本人の食事につきもの。防腐・殺菌作用、食欲増進の効果があり、優れた保存食品として知られています。梅干しの原型が中国から伝わったのは奈良時代以前。梅酢を作る際の副産物である梅を黒焼きにし、漢方薬として用いられていました。また、戦国時代には食中毒や伝染病の予防にその力を発揮。保存食のほか、傷の消毒にも使われていたそうです。

生の梅の実よりも梅干しにすることで、ビタミンやミネラルがぐんとパワーアップ!あの酸っぱさの素であるクエン酸が疲労物質を取り除き、胃腸の働きを活発にして食欲を高めます。夏バテや乗り物酔いなどに即効性を発揮するほか、日頃の健康な身体づくりもサポート。鉄、カリウム、カルシウム、食物繊維などを多く含んでいるので、梅干しを一日一粒食べて未病を防ぎましょう。

梅干しの風味と塩気を料理に生かす

梅干し

もともと保存食なので、家庭で漬けるか、市販のものは無添加を選ぶ。最近はハチミツなどを加えた色の薄いふっくらしたものを見かけるが、健康面では、自然塩、赤シソを入れて土用干しをした赤い梅干しが良く、古いものほど薬効があるとされる。

「梅干しは塩分が多いから」と敬遠する人がいますが、優れた栄養食品なので、積極的に食生活に取り入れたいもの。塩分と酸味を持つ梅干しを〈調味料〉として捉えれば、ぐんと料理の幅も広がります。

また、梅一粒に熱い番茶を注ぐ「梅番茶」は貧血や疲労回復に役立つほか、そこに生姜のすりおろしと醤油少々を加えた「梅しょう番茶」は下痢や胃腸障害、風邪にも効くとされ、昔から家庭で飲まれてきました。

梅風味の彩りそうめん

梅風味の彩りそうめん干し椎茸の戻し汁と昆布の出汁に料理酒と醤油、(好みでみりん)を加えて火にかけ冷まし、麺つゆを作っておく。戻した椎茸は薄切りにし、ひたひたの麺つゆで煮切る。茹でたそうめんを冷水で洗い、皿に盛り付ける。細切りにしたきゅうり、青しそ、みょうが、錦糸卵、椎茸をきれいに盛り付け、真ん中に種をのぞいた梅をのせる。麺つゆと叩いた梅肉を混ぜたものをかけて頂く。

ゴーヤとキュウリの梅肉和え

ゴーヤとキュウリの梅肉和え身体の熱を取り、食欲を高める夏野菜をたっぷり用いたサラダ風の和え物。ゴーヤは半分に切って種とワタをスプーンで取り、薄切りにして塩で揉んでおく。玉ねぎ、みょうがは薄切り、キュウリは小口切りにする。種を取った梅干しを包丁で叩き、出汁に料理酒と醤油を加えて火にかけ冷ましたもの(麺つゆ)と混ぜ合わせ、ごま油を加えてドレッシングを作る。食べる直前にドレッシングで野菜を和える。

梅しょう番茶

梅一粒に熱い番茶を注ぎ、生姜のすりおろしと醤油少々を加える。梅をほぐしながら飲む。下痢や胃腸障害、風邪に効くとされ、昔から民間療法として用いられてきた。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。