グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑪

秋なす

(2014年9月4日号掲載)

抗酸化作用が高く、生活習慣病予防にも

なす

原産地はインドで、日本には奈良時代に渡来。長なす、千両なす、赤なす、白なす、水なすなど国内だけで170種類以上の地方品種があるといわれている。秋なすは小振りのものが美味しい。

「秋なすは嫁に食わすな」という、おなじみの言い伝え。これには、「嫁に食べさせたくないほど美味しい」という説と、「体を冷やすので、子どもができにくくなる」という説があります。枝を切り詰めて9月に収穫される秋なすは身が締まり、寒暖差で旨みもギュッと凝縮するので、夏のなすより美味しいというのは本当。また、約95%が水分のなすは、薬膳では涼性とされることから、体を冷やすというのも事実です。

9月はまだ夏のほてりが残っていることから秋なすで余分な熱を取り、冷し過ぎを抑えたい時には生姜やネギ、辛子などを加えましょう。なすは食物繊維が多く、皮の紫色に含まれている抗酸化物質ポリフェノールの一種ナスニンが血液をきれいにし、高血圧や動脈硬化、がんの予防、悪玉コレステロールの酸化防止にも役立つといわれています。

皮ごと色よく調理し美味しく健康に!

なすは、油と相性が良いので夏の疲れが取れず、食欲がない時にもおすすめ。
揚げる、炒めるといった調理法にすると紫色が鮮やかになって食欲をそそり、植物油のリノール酸やビタミンEも摂取できます。ただし、スポンジのように油をよく吸うので、食べすぎには要注意。秋なすの旨みを存分に味わうなら、焼きなすがいいですね。

また、なすのヘタの黒焼きは歯痛や歯槽膿漏に効き、炎症を鎮めるとして、日本では古くから家庭で作られ、利用されてきました。ヘタは捨てずによく陰干しし、土鍋で2~3時間蒸し焼きにして蓋をしたまま冷まし、すり鉢で粉末にします。塩と混ぜて日常の歯磨きにどうぞ。

秋なすとさんまの南蛮漬け

秋なすとさんまの南蛮漬けなすとさんまを組合せた秋の一品。玉ねぎ半分とニンニク半片はスライス、なす2本は一口大に切って斜めに包丁で切れ目を入れる。さんま1尾は頭を落として内臓を取り、4つにぶつ切りにする。少量の油で玉ねぎ、なすを揚げ、さんまはぶつ切りを揚げた後に骨を抜く(三枚おろしより簡単)。鍋に醤油大さじ2、みりん大さじ2、米酢大さじ1とスライスしたにんにく、鷹の爪1本を入れ、火にかける。沸騰したら火を止め、熱いうちに漬ける。器に盛り付け、小ねぎを散らす。

揚げ野菜のサラダ

揚げ野菜のサラダ写真の材料は、なす、かぼちゃ、ピーマン、パプリカだが、なすを基本に玉ねぎ、オクラ、じゃがいも、しめじ、プチトマトなど、その時々の野菜を用いてもよい。野菜を食べやすい大きさに切り、素揚げする。生で食べられるものはサッと、芋・根菜類はじっくり。よく油を切り、すべてを麺つゆで和えて盛り付ける。ポン酢を出し汁でのばして和えても美味しい。

ほくほく秋なす焼き

ほくほく秋なす焼き焼く前に15分ほど水につけておくと、なすに張りが出る。焼いたあと皮を剥ぎやすいよう、ヘタの近くを一周浅い切込みを入れる。身の部分は火が通りやすいよう、縦に浅い切込みを3、4か所入れる。お尻から竹串か菜箸を入れて奥まで刺し、抜いておく。こうすると焼いている時に蒸気が抜けるため破裂を防ぐ。網か魚焼き器になすを置き、強火で焦げるまで焼く。中が柔らかくなったら火を止め、熱いうちにヘタ近くに入れた切込みから皮を剥く。水には浸けず、指を水で濡らしながら剥くといい。皿に盛り付け、削り節をのせ、生姜醤油で頂く。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。