グルメ

Koji Ueno ― 上野康二

(2015年2月26日号掲載)

料理はフィーリング。五感を満たす新たな中華へ。

モチモチした食感が楽しい「チャイニーズショートパスタの桜海老XO醤炒め」1200円(税別)

今夜のゲストは2000人!点心の種類は種類以上だ!上野康二さんが修行した中国の厨房は、日本では想像できないスケールだった。食材も豊富なら技術も多彩。「点心師の手さばきは神業です。でも僕は職人になるより、いろいろな技術を日本に持ち帰って、総合的に料理をしたいと思っていました」

総合的という言葉には料理の背景も含まれる。写真のチャイニーズショートパスタは「猫耳朵」が中国名。その昔、寒さに震える中国の皇帝を助けた娘が料理名を聞かれ、手元の猫から命名したのが由来とか。事実、由来など知らなくてもレシピがあれば料理は作れる。でも、上野さんは物語の優しい一面を知っているから、適した味が出せるのだろう。

また、料理人になると決めたとき箸の持ち方を直した。実際はトングやスプーンで盛っても問題はない。でも、その姿勢はふとした時に料理に出るのかもしれない。

「作りたいのはレシピをなぞった料理じゃなくて、学んできたものを生かしたオリジナルです。おいしいのは当然、料理が持つ空気感も伝えたいんです」。上野さんが話すように、虎跑(フーパオ)にはグランドメニュー以外の料理が神出鬼没。そこには「寒い夜はフーフーしながら」、「お祝い事は華やかに」など、気温や時勢を読んで「こんな風に食事を楽しんでほしい」という厨房からの熱いメッセージが込められている。3日で止めたメニューもある。商売的に言えばロスが大きい。それでも「今、この瞬間」に食べたい味を届けることが料理人冥利に尽きると信じ、今日も地道な仕込みが続けられている。

Koji Ueno

上野康二。浜松市出身、29歳。調理師学校在学中、校内コンクールで技術の高さと独創性が高く評価され金賞を受賞。卒業後、中国へ。3年の間、一流ホテル等の厨房で修行を重ねつつ文化を体感。趣味は「食べ歩き」。

中国料理 虎跑(フーパオ)
定番の麻婆豆腐や担担麺はもちろん、20種類以上ある点心や、スープ、主菜など、その日の気分に合う料理が多彩なメニューの中から選べます。昼は900円から、夜の目安予算は2000円。価格はすべて税別です。
TEL.053-489-7577
浜松市東区有玉南町1867(浜松毎日ボウル隣接)
11:30~14:00 17:30~21:00
月曜