グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑯

人参

(2015年3月5日号掲載)

βカロテンは免疫力と抗酸化作用を高める

大豆

かつて、子どもが嫌いな野菜の代表格だった人参。ところが今では、特有のにおいやクセを抑え、甘みのある人参が増えたことから、好きな野菜上位に挙げられるほど人気者となっています。

人参はほぼ一年中出回っていますが、旬は秋と春があり、産地によって美味しい時期はさまざま。越冬して寝かせた春先の人参は熟成した甘みがあり、春の新人参はフレッシュな甘みが特徴。ここ遠州では、砂地栽培されている肌つやの良い「ハニーキャロット」が4月から5月にかけて出荷されますよ。

人参に多く含まれるβカロテンは、免疫力を高める効果と抗酸化作用があり、がんや生活習慣病、心臓病などの予防に良いといわれています。このβカロテンは体内でビタミンAに変化して、皮膚や粘膜を強くし、視力維持にも有効。そのほか、カリウムやカルシウムが豊富で、ビタミンCも含まれています。一方、京人参などの赤い色はカロテンではなくトマトにも含まれているリコピン。抗酸化作用が高く、老化防止に役立つといわれています。

皮や葉にも栄養がいっぱい!

カロテンは、皮の近くに多く含まれているので、よく洗って皮はできるだけ剥かずに調理したいもの。葉付きの人参が手に入ったら、なるべく早く切って葉を調理しましょう。パセリ代わりにしたり、天ぷらや素揚げしたりと、何かと便利。葉にはビタミンCやカルシウムがたっぷり含まれていますよ。
人参はカレーやシチューのほか、炒めものやサラダ、漬物など和洋中どんな料理にも使えるスグレモノ。保存も利くので常備しておきたい野菜です。

人参は…
アフガニスタン原産で、トルコからヨーロッパを経て入ってきた西洋種と、アジア東方経由の東洋種がある。現在流通するほとんどが明治以降に伝わった西洋系。京人参で知られる「金時」や沖縄の黄色い「島人参」といった東洋系は古い歴史を持つが、あまり出回っていない。選び方のコツは、葉の根元、切り口が小さいものを選ぶこと。芯はなるべく小さい方が甘さと旨みがある。

人参の簡単ポタージュ

人参の簡単ポタージュ4人分。玉ねぎ半個を薄く切り、しんなりするまで炒める。小さめに切った人参大1本と炒めた玉ねぎを鍋に入れ、3カップの水を入れて15分ほど煮る。柔らかくなった野菜を取り出し(スープは取っておく)、ミキサーかフードプロセッサー(ない場合は濾し器)でクリーム状にする。できたものとスープを合わせて火にかけ、塩小さじ1かコンソメの素1片、白コショウ少々、あれば人参の葉の軸かセロリを少量入れ、沸騰したら弱火で約15分煮る。仕上げに豆乳3分の1カップほど加え、味を調えて火を止める。スープ皿によそい、人参の葉があれば刻んで上にのせる。

人参の明太子炒め

人参の明太子炒め4人分。人参中2本を千切りにする。明太子は身をしごき出しておく。フライパンで人参を軽く炒め、火を止めて明太子と和える。小口切りのあさつきを上に散らす。お弁当のご飯の上にのせるときは、人参をよく炒めて。子どもには明太子の代わりにタラコでもよい。

人参とニラのチジミ

人参とニラのチジミ4人分。ニラ半束を3~4cmほどに切る。人参小1本(約50g)を千切りにする。ボウルに薄力粉100g、葛粉(または片栗粉)大さじ2、塩小さじ半分を入れて混ぜ、水約150㏄を少しずつ加えて混ぜる。白ゴマ大さじ2を混ぜて、ごま油を引いたフライパンに流し入れ、ふたをして焦げ目がうっすらつくまで両面焼く。切り分けて、ポン酢にラー油を混ぜたものや好みのたれをつけて頂く。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。