グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑰

ワカメ

(2015年4月2日号掲載)

食物繊維とミネラルが心身を活性化!

ワカメ

春先から5月にかけて、ワカメが美味しい季節です。意外にも、ワカメを食べるのは、世界中で日本と朝鮮半島だけと言われています。日本では縄文時代の遺跡から発見され、万葉集にも出てくるなど古くからワカメを食してきました。しかし、江戸時代に入るまでは高価な食べ物だったとのこと。近年は、養殖技術と保存方法の進化により、ぐんと身近な食材に。日本人は40年前に比べて4倍も多くワカメを食べているんですよ。

ワカメをはじめ海藻類はヌルヌルしていますが、これはフコダインやアルギン酸など食物繊維によるもの。このぬめりが胃腸の粘膜を守り、食物に含まれるコレステロールを包み込んで体外へ出してくれます。また、豊富に含まれているヨウ素は代謝を活発にして精神を安定させるほか、十分にヨウ素が甲状腺にあれば、放射性ヨウ素を体外に排出することも明らかになっています。

さらに、人体に必要とされる約90種のミネラルをほぼすべて含み、陸上の野菜に劣らず多くのビタミンも含んでいます。他にも、血中コレステロールを下げ、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞を防ぎ、骨を丈夫にするといった作用がある、実に優れた食物なのです。

酢や油と相性がいい

ワカメのぬめりであるアルギン酸は胃酸の作用でカリウムを出し、小腸でナトリウムと結合して余分なナトリウムを体外に排出する働きがあります。ですから、味噌汁にワカメは大正解!また、酢と合わせることで血圧やコレステロールを下げる効果が期待できます。ワカメに含まれるヨウ素は油と一緒に摂取すると吸収率が上がるので、油揚げを加えたり、炒めたり、ドレッシングでサラダにしてもいいですね。

ワカメは…
日本では北海道から九州まで日本各地に生育し、中でも三陸産と鳴門産が有名。全体としては輸入が多く、ほとんどが養殖である。食用として親しまれているのは葉の部分。メカブは酢の物やメカブトロロ、茎の部分は佃煮や加工用に使われる。塩蔵ワカメは水洗いして5分ほど水に浸しさっと熱湯に通して冷水に取って使う。乾燥ワカメは戻して使うが、水分を吸う性質を活かしたアイデア調理も。

若竹煮

若竹煮4人分。茹でたけのこ中2本を食べやすい大きさに切る。ワカメ(塩蔵)60gを戻し(ワカメの説明を参照)、一口大に切る。鍋にたけのこ、昆布と削りがつおでとった出汁を4カップ入れて火にかける。煮立ったところでガーゼまたはお茶パックの袋に削り節を20gほど包んで入れ(追いがつお)、酒半カップ、みりん大さじ2、薄口醤油大さじ2を加え、落とし蓋をして煮る。弱火にして少し煮て火を止め、そのまま置いて味を含ませる。追いがつおを取り出し、ワカメを加えて温め、器に盛り合わせて煮汁をかける。木の芽をのせたり、好みでしめじや絹さやなどを一緒に煮てもよい。

乾燥ワカメの白和え

乾燥ワカメの白和え4人分。乾燥ワカメを戻さず、豆腐も水切りせず、そのまま水分をワカメに吸わせて作る簡単白和え。ボールに乾燥ワカメを半カップほど入れる。ワカメを覆うように豆腐(絹でも綿でもお好みで)をくずしながら入れる。人参中1/3本を千切りにし、少量の水で煮切っておく。梅干し2個分の果肉を包丁で叩き、水菜は4~5cmに切っておく。ワカメが水分を吸って柔らかくなったら、叩いた梅干しを味見しつつ加え、人参と水菜、白すりゴマを入れて混ぜ合わせる。水分が多い時は乾燥ワカメを適宜足す。

ワカメの炒めもの

ワカメの炒めもの4人分。ワカメ(塩蔵)60gは戻し(ワカメの説明を参照)、ざく切りにする。長ねぎ1本と生姜1片を千切りにし、ごま油で炒める。しんなりしたらワカメを加えて軽く炒め、醤油大さじ1を鍋肌から回し入れ、シラス干しを加えて手早く全体を混ぜ合わせ、器に盛る。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。