グルメ

お椀ものがたり

(2015年5月21日号掲載)

季節の味や香りを楽しむ椀物は、懐石料理の中でも花形の膳。出汁、素材、塩加減…椀一つでその店の味が分かると言われており、料理人にとっては気が抜けない一品だ。
江戸時代後期、将軍が椀の蓋を取ると芋虫が浮かんでいた。将軍は箸でつまみあげ、傍らにいた家臣に気色ばんで差し出した。前代未聞の大失態に家臣も驚いたが、両手で芋虫を受け取ると一口に飲み下してしまった。その様子を見た将軍、家臣がそこまで料理番らのことを思っているのかと機嫌を直し、それ以上何も言わなかった…という話が「想古録」に残っているとかいないとか。
さて、今回の椀の中身は何でしょう?

水無月椀  ※6月1日からの懐石の一品。昼3240円~、夜4000円~

旬の鮎を主役に、玉子豆腐を氷に見立て、夏の到来に涼を取るはしりの椀。小豆には邪気を払う意味があり、半年を無事に過ごした感謝と後半年の無事を願って味わいたい。

天竜膳三好
浜松市天竜区二俣町二俣932
TEL.0120-26-0344
[営]11:30~22:00
[休]火曜

季節のすり流し たけのこと海老しんじょ(756円)

海老しんじょは「茹で」「揚げ」「焼き」の3種から好みで選べる。酒の肴としての満足度が高まるよう、吸い地はかつおと昆布をベースに、しっかりめに味付けられている。

はんなり
浜松市中区元城町222-25アルスビル1FA-1
TEL.053-456-4008
[営]11:30~売切れ次第終了(土曜は休み)、18:00~24:00
[休]日曜

浜名湖のすっぽんを使った丸椀(2000円)

浜名湖にある服部中村養鼈場から仕入れたすっぽんを使った地産地消の椀。丸2日かけて炊いた取ったスープにはコラーゲンたっぷり。疲れた体を癒やすいたわりの一品だ。

寿し半 和楽
浜松市中区板屋町111-2オークラアクトシティホテル浜松31F
TEL.053-459-0788
[営]11:30~14:00(土・日曜、祝日は14:30まで)17:30~21:00
[休]無休

新緑のくず仕立て
※5500円以上の会席の一品

あいなめが新緑色のくずをまとった夏の椀。くずやじゅんさいのツルンとした食感もこの時季ならでは。あやめをかたどったうどの白さが際立って涼やか。

四季の味・しんや
浜松市東区安間町650
TEL.053-423-2556
[営]11:30~14:00 17:00~21:00
[休]月曜

煮物椀  桜海老の揚げしんじょすまし仕立て
※おまかせコース(8000円~)の一品土日はランチも注文可

利尻の昆布、枕崎の本枯れ節、掛川の栄醤油、袋井の國香酒造の仕込み水のみで仕立てた潔い吸い地。そのままより味が際立っていると評判の桜海老は、まさに素材の味を生かした逸品。

懐石・いっ木
浜松市中区田町329-8
TEL.053-456-0850
[営]12:00~14:00 18:00~22:00(全席予約制)
[休]月曜、火曜の昼の部

※すべての椀は仕入れ状況により、内容が変わる場合があります