グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ⑲

ニンニク

(2015年6月4日号掲載)

強力な抗酸化作用の秘密はアリシン

ニンニク

ニンニクは「滋養強壮に効く」イメージがありますが、「鎮静作用がある」と聞くと、あれ?と思いませんか。薬膳・漢方の考え方では、ニンニクは高麗人参のように不足したものを補うのではなく、気の巡りと血の巡りを良くし、元気をみなぎらせると同時に高ぶりを鎮める食材。西洋医学的にも、ニンニクは身体を活性化させるとともに精神を安定させ、不眠にも効くとされています。

1990年に米国国立がん研究所が始めた「デザイナーフーズ計画」というプロジェクトでは、がん予防効果の高い約40種類の食品をピラミッド型に示していますが、その頂点に君臨するのが、ニンニク。タンパク質や脂質、ミネラルなどの栄養素を含み、中でもニンニクの細胞が壊れる時に生じる臭い成分、アリシンには、発がん抑制や強力な抗酸化作用と殺菌作用があり、体内でビタミンB1と同じ働きをします。また、コレステロールや血圧を下げる働きが期待されるほか、血栓形成防止や脂肪の代謝を改善。様々な病気への抵抗力を高めます。

料理の味と栄養をパワーアップ!

ニンニクと相性の良い食材は、豚肉やゴマ、味噌、豆腐などの大豆製品。これらに含まれているビタミンB1と結びつき、効果を高めます。疲労回復や肝臓に良いタウリンを多く含むイカやタコなどの魚介類とも相性がいいので、ぜひ組み合わせて料理を。ただし、食べ過ぎは胃腸を傷めるので、生は1日1片、加熱料理は3片を目安に毎日少しずつ取り入れましょう。調理する際はいきなり熱を加えないようにするのも栄養を逃さないコツです。

ニンニクは…
原産地は中央アジアとされ、人間との付き合いは6500年前から。古代エジプトでは「不老不死の霊薬」として珍重された。日本に伝わったのは今から1500年ほど前。国内のニンニク生産量の7~8割を青森県が占める。旬は収穫後の乾燥を経た6月~8月頃。皮が白く重みがあり、丸く張ったものを選ぶと良い。中心の緑の芽は刺激が強いので取って調理を。

ニンニクときのこのソテー(マリネ)

ニンニクときのこのソテー(マリネ)免疫力を高める成分β―グルカンを含むきのこ類とニンニクの組み合わせは最強。油を引いたフライパンにニンニクのみじん切りを入れて火にかけ、焦げないうちに千切りのシイタケ、石づきを除いたエノキ、シメジ、マイタケなど好みのきのこを加え、塩コショウで味を調える。青みを添えてレモンを絞っていただく。ニンニクはきのこの量にもよるが3片ほど使用。茹でたパスタにそのまま和えても美味しい。レモンをたっぷり絞り入れると、2~3日冷蔵保存できるマリネに。

小松菜とイカのニンニク炒め

小松菜とイカのニンニク炒め疲労回復、アンチエイジング効果もある、栄養価の高い一品。ヤリイカ1パイは足をはずして内臓等を除き、食べやすい大きさに切り、酒少々と醤油小さじ1とおろしニンニク1片を混ぜ合わせておく。小松菜1束を食べやすい長さに切る。弱火にかけたフライパンにごま油を引き、スライスしたニンニク2~3片と小口切りにした赤唐辛子2個分を入れて炒め、イカと小松菜を加えて火を強めて炒める。塩少々と(好みで)オイスターソースで味を調える。

ニンニク保存食

ニンニク保存食(手前)最近ブームを呼んでいる「黒ニンニク」は蒸し焼きにして自然発酵させたもの。その甘い香りと味から「フルーツニンニク」とも呼ばれる。生のニンニクより栄養価が高く、ポリフェノールを多く含む。(左奥)ニンニクのみじん切りと味噌、酒、みりんを合わせた「ニンニク味噌」はそのままご飯にのせるも良し、調味料代わりに用いるも良しと、便利な常備菜。(右奥)生のまま、あるいは焼いて醤油に漬けた「ニンニクの醤油漬け」も、重宝する常備菜。醤油は調味料として使え、ニンニクはそのままおかずにしたり刻んで炒めものに入れたりと応用が利く。

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。