グルメ

免疫力を高める食生活のすすめ
シリーズ20【番外編】

災害時にも役立つ日本の食

(2015年7月2日号掲載)

四季の自然に恵まれた日本には、野菜や山菜、きのこ、魚介類など食材が豊富。ご飯と味噌汁、漬物を基本とし、常備菜を取り入れた「日本の食」は、発酵食品や栄養を凝縮した乾物を多く用いていることから免疫力を高め、保存性にも優れた、世界に誇るべき「知恵がいっぱいの健康食」です。
ふだんから、乾物などを備蓄し、日々の暮らしに保存食を取り入れていれば、地震などの災害時にも困りません。そこで、今回は番外編として、「もし、ライフラインが途絶えたら...」という設定で、菊川の自然料理勉強会の皆さんに家から1~2品持ち寄っていただきました。
なるべく調理道具や火、水を使わないよう、調理開始!さあ、どんな料理ができたかな?

ポイント1 ポリ袋を活用する!

塩ビではなく安全性の高いポリエチレン製、耐熱温度100℃、または高密度と表示されたものを使いましょう。

ご飯を炊く
ポリ袋に米と1~2割増しの水を入れ、水を張った鍋に沈めて空気を抜き、後ですぐにはずせるよう口を片結びにして30分置く。鍋を火にかけ、沸騰したら火をやや弱めて沸騰状態を保つ。
沸騰後20分で火を止め、10分蒸らして器に盛る。
器がない非常時でも、1人前ずつ袋に入れて1つの鍋でまとめて作れ、そのまま袋から食べることができるので便利。

<参加者の声>
「衝撃的!」「そのまま保存できるので衛生的」

和えるもむ
切った材料を調味料とともにポリ袋に入れれば、ボールなしで味つけできる。きゅうりなどは袋に入れて上から叩くことで、まな板や包丁を使わず調理。

食材を煮る
ポリ袋に切った食材を入れ、水や出汁を少量加えて水を張った鍋で茹でる。
1つの鍋で異なる材料を味付けして煮ることができ、ご飯と同時に調理することもできるので効率的。

<参加者の声>
「鍋1つでたくさん作れたのでびっくり」

ポイント2 調理道具を減らす

キッチンばさみやピーラーを活用
ポリ袋の上でキッチンばさみやピーラーを使って野菜を切ったりそいだりすることで、包丁やまな板の使用、洗う頻度を減らす。

<参加者の声>
「包丁が1本しかなくてもみんなで調理できる」
「子どもも一緒にできそう」

ビンで出汁をとる
広口のビンに干し椎茸と昆布を入れて水を口いっぱいまで注いだものを作っておくと重宝する。柔らかくなった椎茸と昆布は料理に使う。

<参加者の声>
「いつも作って冷蔵庫に入れておくと便利そう」

ポイント3 メニューと調理手順を工夫する

知恵のあるメニューと手順
冷蔵庫に入っていた生鮮食品、中でも魚介や肉は早めに調理する。味噌や塩に漬け込む、佃煮にする、干すといった工夫をする。また、最初は茹でて和え物、次は煮物やチャーハン、常備菜にといったように使い回しレシピを考えるのもコツ。なるべく火を使わないことは大事だが、1日1回は温かい汁物を食べることで気持ちも温かくなり、会話も弾む。

ゴミを出さないエコ料理を
たとえば夏みかんの皮を器にしたり、風味づけに料理に加えたり、野菜も丸ごと調理するといったように、極力ゴミを出さない工夫を心掛ける。

ポイント4 日本の調味料、保存の効く食材を

2班に分かれ、持ち寄った食材をもとに、3食分と常備菜メニューを話し合って決め、調理。15種類ほどの料理が完成!

調味料と発酵食品
味噌・醤油・酢・みりん・塩麹といった調味料や糠漬け・梅干し・納豆などは発酵パワーに富むことから免疫力を高め、保存性にも優れている。組み合わせ方でオリジナルドレッシングや多彩な味付けもできるので揃えておきたい。

乾物
乾物野菜や海藻、きのこ類、豆類、米・雑穀、果物、木の実などを干した乾物は、太陽の力で栄養価が増し、いつでも手軽に調理できるスグレモノ。切干大根やヒジキは戻すだけで生でも食べられるのでお試しを。また、車麩、高野豆腐、春雨なども常備しておこう。

<参加者の声>
「こんなにたくさんのメニューができるなんてびっくり」
「基本的な調味料だけで作っているので、食材の味がよくわかり、美味しかった」
「ふだん自分では作らない料理を覚えることができた!」

文・料理/山口雅子
ライター、環境と食のアドバイザー。中医薬膳指導員。静岡県環境学習指導員。日本の伝統料理、自然に沿った食生活、薬膳に学びつつ、環境と健康、料理に関するワークショップを行っている。