グルメ

料理人ストーリー

Hidenori FUJII ― 藤井秀典

(2015年9月17日号掲載)

たたきあげの和食料理長。世界に愛されるホテルで浜松の味を。

長月昼会席の煮物「しめじ豆腐と季節の野菜炊き合わせ きのこあん掛け」。秋のお楽しみのキノコを生かして

「藤井さん、今夜10名様のご予約入りましたよ」
「うん、聞いてる。うれしいね!」
会話の主はオークラアクトシティホテル浜松の和食堂「山里」料理長・藤井秀典さんとスタッフ。和食の親方というと若い衆を怒鳴り散らす怖いイメージがあるが、オークラの厨房から聞こえてくる会話は、長年連れ添った夫婦のように穏やか。その理由は藤井さんの経歴にある。彼はオークラが浜松に誕生した約20年前からずっと、和食の厨房を支えてきた料理人の一人なのだ。先輩を見習って腕を磨き、時には一緒に頑張ってきた仲間が辞めていくのを見送ったこともあった。「いつかは自分も料理長に!」。そんな思いを胸に抱き続け、今年7月、ついにオークラアクトシティホテル浜松初のたたき上げの和食料理長が誕生した。

「単純に嬉しいというより、プレッシャーの方が大きいですよ。オークラの看板がありますからね」。就任して約2カ月、引き締まった表情に覚悟がうかがえる。「仲間の仕事に、より一層目を配るようになりました。ほかに責任を取る人がいないことを実感する毎日です」

就任前の一昨年、1年4カ月間ホテルオークラ東京へ出向。「東京に比べ、浜松のお客様は濃いめで甘めの味を好まれます。山里にはうどん1杯から高級会席まで、それぞれの好みの和食を求めてお越しになりますから」。藤井さんは多彩なお客をもてなすため、オークラの伝統の味を守る一方で、焼き物にだし汁をひいてスープ仕立てにするなど、新しい和食にも挑戦している。また、できるだけ手を空けて客席で会話したいとも。
「オークラのレストランでありながら、気軽にお越しいただける。そんな開かれた和食堂にしていきたいです」

Hidenori FUJII

藤井秀典。浜松市出身、47歳。今年7月、浜松で初めて地元出身者が和食料理長に就任。和食堂・山里と、宴会の和食調理を統括する。緊迫する毎日の中、時間を気にせずに過ごせる家での食事は至福の時間。

和食堂山里
和食堂山里9月のおすすめは「長月昼会席」(一人3800円、税金・サービス料を含む)。上写真「しめじ豆腐と季節の野菜炊き合わせ きのこあん掛け」をはじめ、一品一品に秋の香り漂う季節限定の昼会席です。
TEL.053-459-0723
浜松市中区板屋町111-2
オークラアクトシティホテル浜松31F
11:30~14:00(土日祝日は14:30まで)17:30~21:00 年中無休