グルメ

グルメ対談(びぶれ編集企画)

新メニューができるとき

(2015年10月22日号掲載)

ポンと浮かぶ料理が一番ウマい ― 櫻井/磨いた古典もある意味、新作 ― 熊谷

櫻井  英樹さん(左)
中国料理「虎跑」オーナーシェフ。調理指導から開業支援まで、地元料理人の"頼れる兄貴"的存在。時流を捉えた料理が信条。

熊谷 充敏さん(右)
イタリア料理「Ristorante Da Kuma」オーナーシェフ。元・公邸料理人。ローマでは星付きレストランのスーシェフとして活躍。

熊谷 なんか、改めて対談って照れますね。

櫻井 そうっすね(笑)。

熊谷 ところで、虎跑さんの新作って神出鬼没ですよね。逃した料理けっこうありますよ(笑)。

櫻井 日常からポンと出る芽を感じて「今」をご提供したいんですよ。味覚や視覚で感じる「おいしい」だけじゃなくて、第六感を刺激する料理は芸術的にできあがるっていうか。

熊谷 分かります。今の僕の流行は「香り」なんですけど、想像した味を一発で形にできればいいけど、試作で調整すると求めてた香りまで曖昧になったりして(笑)。櫻井さんって、昔からポンって料理が浮かぶんですか?

櫻井 そうですね。だから、あえて何も考えないようにしてます。

熊谷 すごいっすね!天才じゃないですか!

櫻井 そんなことないけど(笑)。メニューは自分で書いてて唾液が出るぐらいがいいよね。

熊谷 うちはグランドメニューがないので年5回ぐらい前菜からデザートまで全部入れ替えるんですけど、正直メニューに追われてます(笑)。

櫻井 大変ですね(笑)。でもグランドメニューがないのは理想のレストランですよ!さっきの「香り」の話もそうですけど、料理って料理人の個性が出ますよね。

熊谷 出ますね。美学も。

櫻井 誤解を恐れず言えば、料理は自己満足の部分もあって。いかに自分が追及した味を表現できるか―。それでお客さんが喜んでくれれば厨房でガッツポーズ!新作はとにかく食べてほしいから、タダでも出したいぐらい(笑)。

熊谷 いやー、僕もそうですけど実際は毎回ドキドキです(笑)。新作では味の幅を伝えられれば嬉しいです。ヨーロッパは苦味や酸味も味のうちだけど、最近の日本は幅が狭い気がして…。

櫻井 ありますね。野菜も全部「甘い」が良いなんて、あれ間違ってますよ。

熊谷 ですね。あと「牛ホホ肉の赤ワイン煮」は古典料理ですけど、僕のはオリジナルに磨き上げたので、ある意味もう新作ですよ(笑)。

櫻井 自分なりの古典って、ありますね!今度はソレについて話しますか。連載する?(笑)

熊谷 いいですね(笑)。また話しましょう!


虎跑式マッシュルームのパイ(3800円のコースの一品)
虎跑の新作「マッシュルームパイ」は餡とスライスで、食感と香りをそれぞれに表現。隣の海鮮雲呑入りのスープは相性が計算された一品。

鮮魚のタルタル(2人分1600円、写真はキハダマグロ)
ダクマの新作は、魚のうま味、有機サラダの力強さ、赤キャベツのシュークルートの爽やかさが融合した前菜。食事の始まりにワクワク感をもたらす。

中国料理 虎跑
TEL.053-489-7577
浜松市東区有玉南町1867
[営]11:30~14:00、17:30~21:00
[休]月曜

Ristorante Da Kuma
TEL.053-451-0056
浜松市中区佐鳴台4-9-7
[営]11:30~14:00、18:00-21:30
[休]火曜、第2・4水曜