グルメ

ブラジル人サッカー選手の勝利を願い

心を満たす文化の味。

(2016年7月28日号掲載)

グランドホテル浜松(浜松市・東伊場)

ロナウド、ロベルト・カルロス、ロナウジーニョ、カカ...。2002FIFAワールドカップで優勝したブラジルの宝とも言えるサッカー選手たちがグランドホテル浜松の宴会場で食事をしている。

「信頼している料理人たちだけどブラジル料理の経験者は誰もいない。まして自分も...」。ブラジルナショナルチームの宿泊が決まった時、村松米春総料理長の心に一抹の不安がよぎったという。

実際はヨーロッパをはじめ世界各地で活躍する選手らに特別なブラジル料理を用意する必要はなく、いつも通りの洋食で十分だった。ただ、一緒に来日したチーム専属女性シェフとともに、24時間体制で衛生面と調理に最上級の注意を払う緊張した日々が5日間続いた。

村松シェフ(右)とともに選手らを支えたチーム専属シェフ(中央)とホテルの洋食スタッフ

「唯一、迷ったのがフェジョンです。豆を煮込んだブラジルの定番料理なのですが、初めて調理するメニューでした。日本人の感覚でいうと煮豆は甘いものなんだけど、フェジョンはかなりしょっぱい。日本とは違う文化ですから"おいしい"の判断に戸惑いましたね」。そんな不安を知ってか知らずか、チーム専属シェフからは村松シェフが作ったフェジョンに一発OKが出た。村松シェフが料理とともに食事会場へ向かうと、そこには練習で疲れた選手たちが、リラックスして仲間とおいしそうにフェジョンを食べる姿があった。

うま味の濃い地鶏をカラッとジューシーに

グランドホテル浜松は、毎年夏にサンバダンサーやブラジリアンミュージシャンを迎えてサマーフェスティバルを開催している。彼らの控え室で振る舞われているのはこのフェジョン。当時と同じ調理と味付けで、ブラジル人の心を和ませている。

取材協力/グランドホテル浜松