健康

女性のための漢方講座「熱中症」編

(2017年7月13日号掲載)

暑い時季はどこにも出かけたくない。

熱中症になりやすい体質かも
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

気温がどんどん高まっていくこれからの時季、気を付けたいのは「熱中症」です。漢方では体に害を及ぼすものを「邪」と呼びます。これからの季節は湿気による「湿邪」や暑さによる「熱邪」が、体内に入り込んで体調不良を引き起こします。

漢方の視点から考えると、熱邪は頭部、上半身に入り込もうとします。したがって、普段から頭部に熱がこもっている人は、のぼせたり、頭がもうろうとしたり、気分が悪くなったりするなど、熱中症の初期症状が出現しやすいといえます。

体に熱がこもる原因は大きく分けて二つあります。一つは体の潤いが少なくなっている場合です。「顔に熱っぽさを感じる」「皮膚が乾燥気味」という人は潤いが減っているかもしれません。

潤いには体内の熱を冷ます働きがあるため、これが減少すると熱が溜まりやすくなります。こうした人の場合は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)、六味丸(ろくみがん)などで潤いを補充して体質改善を図ります。

もう一つは気・血の巡りが悪い人です。これらの巡りが滞ると熱が停滞し、頭部、上半身に熱がこもりやすくなると考えます。ストレスを感じている人は気が滞りやすく、女性は血の巡りが悪くなりやすい状態にあります。血の巡りが悪い場合は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など、血の滞りを解消する漢方薬を処方します。

熱中症の予防、治療として、水分を補給することは大切です。ですが、水を飲んでも熱中症になりにくい体になるわけではありません。人は年齢を重ねると潤いが減ってくるため、高齢になればなるほど熱中症には注意が必要です。