健康

女性のための漢方講座「舌のトラブル」編-2

(2017年8月3日号掲載)

何回磨いても舌のコケが消えない。

余分な水が熱に変わる
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

前回は「舌に歯型が付く」をテーマに対処法を紹介しました。今回は「舌のコケ」について考えてみましょう。

漢方では、体の中を気・血・水が滞りなく巡っている状態が理想です。舌に湿ったコケが厚く付着している場合、主に胃腸の水の巡りが悪くなっていると考えます。滞った水は、さらさらした状態であれば飲(いん)、粘り気のある状態であれば痰(たん)と呼びます。

一般的に「痰」は、カゼをひいた時にのどから出るものと考えられています。漢方で考える痰はもう少し意味が広く、体内にある粘り気のある液体のことを指します。舌の上に現れるコケも、痰飲によるものと考えます。

胃腸が弱い人は、飲食物の消化吸収が悪くなりやすく、胃腸に余分な水がたまりやすいため、コケが付着しやすいといえます。胃腸がそれほど弱くなくても、食べ過ぎ、脂っこい食べ物などによっても、同じことが起こります。

舌のコケは色の状態も重要です。通常は白っぽいコケが現れますが、体に熱が溜まっているとコケが黄色や茶色っぽくなります。漢方では、何事も長く滞ると熱が生まれやすいと考えます。水の停滞が長引くと、体に熱が溜まる原因にもなるのです。もちろん他の原因で熱が発生する場合もあります。

胃腸が弱い人でコケが厚い人は、胃腸を丈夫にして余分な水を取り除く「六君子湯(りっくんしとう)」などを用います。

口の中が乾燥していても、舌に厚いコケができる人もいます。この場合、余分な水を取り去る治療ができないことがあります。まずは自分の健康状態を知る第一歩として、舌の状態をチェックしてみてください。