健康

女性のための漢方講座「耳鳴り」編

(2017年6月22日号掲載)

どうしよう。耳鳴りが止まらない。

気にしすぎは禁物
玉嶋貞宏 院長
玉嶋血液内科
漢方診療所

玉嶋貞宏 院長
1958年、兵庫県生まれ。浜松医科大学卒。共立湖西総合病院、聖隷浜松病院を経て2012年に開業。日本血液学会認定血液専門医・日本東洋医学会認定漢方専門医
浜松市中区住吉1-24-1NTT住吉ビル4F
TEL.053-412-0100

読者の方の中に、静かな場所にいる時や、夜寝る時になると耳鳴りがするという人はいませんか。ひとたび、耳鳴りがしていることに気づくと、さらに症状がひどくなって苦痛を感じる人もいるかもしれません。漢方の診療所にも、原因不明の耳鳴りに悩まされている人がたくさん訪れます。

耳鳴りを改善させるための治療には、二種類のアプローチがあります。一つは「耳鳴りがする原因を取り除く」ことです。耳鳴りの原因は一つではありません。気血の巡りが悪かったり、腎の陰が不足していたりしても起こりますし、その他の原因もあります。治療の結果、耳鳴りが完全に消える人もいますが、一般的には難しいと言えます。

そのため、第二のアプローチを患者さんに提案することも多くあります。それは、漢方治療の目標を「耳鳴りがしても気にならないようにする」ことです。具体的には、気血の巡りを良くする薬を処方します。うまくいけば、耳鳴りがしても忘れている時間を増やすことができます。また、耳鳴りに気づいても「いつものことだから」と忘れてしまい、苦痛ではなくなる可能性があります。

気血を巡らせる漢方薬は多数あります。例えば、気を巡らせる漢方薬として、四逆散と香蘇散を合わせて使っている人もいます。

完璧な治療を求めると「耳鳴りの程度はどうだろうか」と、耳鳴りを何度も聞こうとすると思います。心は耳鳴りから、かえって離れられなくなるような気がします。あまり深刻に考えすぎず、「聞こえてもいいんだ」と思えるような精神状態を作り出すことが大切なのだと思います。

何かに熱中している時は、耳鳴りが気にならなくなるという人は多いでしょう。自分が楽しいと思えるものに取り組んだり、軽く体を動かしたりして、気の巡りを良くしていくのが大切です。