健康

知らないうちに忍び寄る

脂質異常症

(2014年8月28日号掲載)

3人に1人が該当

川合弘太郎先生
【お話】
磐田市立総合病院
糖尿病・内分泌内科部長

川合弘太郎先生

脂質には悪玉コレステロール(以下LDL)善玉コレステロール(同HDL)中性脂肪の3つがあります。脂質異常症は、血液中のこれらの量が異常な状態のことです。

LDLは体の構成成分であるコレステロールを体の隅々に運ぶ役目を持っていますが、増え過ぎると運搬中に血管壁にへばりついて炎症を起こします。すると血管は詰まったり破れたりしやすくなって、動脈硬化や心筋梗塞などが起こるのです。

HDLは余分なコレステロールを吸い取る「掃除機のようなもの」と言えばわかりやすいでしょう。これが少なすぎても脂質異常症です。そして、エネルギー源である中性脂肪も、増えるとインスリンの働きが悪化し、メタボリックシンドロームや糖尿病の原因となり、動脈硬化も起きやすくなります。さらに、中性脂肪が増え過ぎると急性膵炎になりやすく、中には突然死する人もいます。

実は日本人の約3分の1が脂質異常症といわれています(※)。男性は40歳以降、女性は50歳以降に増加。女性は60代では半数近くを占めますが、これは閉経に伴う女性ホルモンの低下が原因です。脂質異常症は痛くもかゆくもないため、気づいた時には悪化しているのがこの病気の怖いところ。ですから、定期的な検査が大切なのです。

過剰な糖分は脂質に

脂質異常症の改善や予防は生活習慣の見直しが第一歩。肝臓は過剰な糖分を脂質に変えるので甘いものは控えましょう。食物繊維は余分なコレステロールの排出を手伝ってくれます。

ウォーキングなどの有酸素運動は必要ですが、忙しくて時間がない人には、テレビを見ながら足踏みすることをお勧めしています。内臓脂肪は付きやすく取れやすいので、まずは3㎏減を目指してみませんか。
※平成22年厚生労働省調査による

磐田市立総合病院 TEL.0538-38-5000(代)

|教えてドクター|健診の基準値、変わったの?

今年4月、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が発表した健診データは、従来の基準値と比べると緩和されたように見えますが、両者は全く別物です。
従来の基準値は「その数値を超える人は、将来病気を発症する可能性が高い」というリスクの目安です。一方新たに発表れたデータは「現在、超健康といわれる人を抜粋した調査結果」。将来の病気発症との関連性を示す数値ではありません。

例:LDLコレステロール(mg/dl)
男性 従来の基準値 60~119 健診データ(調査結果) 72~178