健康

新陳代謝が激しくなる

バセドウ病

(号掲載)

動悸が激しく疲れやすい

佐々木茂和先生
【お話】
浜松医科大学
第二内科 講師

佐々木茂和先生

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺はのどぼとけの下あたりに位置する臓器で、そこから出る甲状腺ホルモンは新陳代謝を維持する役割を持っています。しかし、ホルモンが過剰に分泌されるとじっとしていても運動時と同じぐらいの激しい新陳代謝が行われるので、「汗が多い」「脈が速く動悸がする」「手が震える」「暑さに弱い」「疲れやすい」などの症状が出ます。その症状から、更年期障害や自律神経の疾患と勘違いされる場合もあります。眼球が出てくる人もいますが、割合としては4人に1人程度。甲状腺は普段触ってもわかりませんが、バセドウ病になり腫れてくると、筋肉ほどの硬さのものがのどぼとけの下に触診できるようになります。

ほかに「定期的な健康診断でコレステロール値が急激に下がった」「体重が急に減った」、高齢者では「心房細動(不整脈の一種)が出た」などの症状もバセドウ病が原因という場合があります。

投薬治療は2年以上

甲状腺の位置

のどぼとけの下あたり。通常は触ってもわからないが、バセドウ病が進行すれば体表からも触診できるようになる

甲状腺ホルモンの過剰分泌は血液中のリンパ球が甲状腺を刺激する物質(抗TSH受容体抗体)を作ることで起こります。なぜこの抗体を作るようになるのか原因はわかっていません。患者は女性に多く男性の約5倍と考えられます。診断は血液検査でできますが、無痛性甲状腺炎という病気でも甲状腺ホルモン量が増えるため、鑑別が重要です。

治療には甲状腺ホルモンを抑える薬を使います。薬の量は2~3カ月で徐々に減り、通院の頻度も減りますが、抗体を減らすのに時間がかかるため、完全な内服中止には2年以上かかるのが一般的です。内服薬で副作用が出る場合や薬の効果が不十分な場合は、手術や放射線ヨードを使った治療を行います。なお、バセドウ病の女性が妊娠した場合は専門医を紹介してもらうことをお勧めします。

浜松医科大学 TEL.053-435-2111(代)