健康

増えている

大人のぜんそく

(号掲載)

ぜんそく持ちは人口の6~10%

中村 秀範先生
【お話】
聖隷浜松病院
呼吸器内科部長

中村 秀範先生

ぜんそくは気管支が収縮して狭くなることにより、呼吸をするたびに「ひゅーひゅー」「ぜーぜー」という音がしたり、激しくせき込んだりする病気です。気管支を収縮させるのは気管支の炎症です。炎症だけならぜんそくにはなりませんが、気管支が敏感な状態のときに炎症が起こるとぜんそくが発症します。

大人のぜんそくは過去30年間で約3倍に増加、人口の6~10%を占めるといわれています。全体の6~8割が20歳を超えてからの急な発症で、その約半数が40代以上。中には70歳で初めて起こる人もいます。

原因の4割はアレルギー以外

風邪やインフルエンザがぜんそくの引き金になることも

子どもの場合、ぜんそくの原因の9割がアレルギーなのに対し、大人は6割ほど。つまり、大人のぜんそくの4割はアレルギーとは無関係で起こります。アレルギー体質ではないからといって「ぜんそくにならない」とは決して言い切れないのです。

では、アレルギー以外の原因は何かというと、実はよくわかっていません。ただし、悪化因子はあります。一番はタバコ。タバコは確実に気道を傷付け炎症を起こします。ほかに、大気汚染、天候、ホコリ、ダニ、食べ物やストレスなどがあり、肥満も誘因です。特に最近は家の気密性が高まっているのでホコリやダニが密閉空間で繁殖し、それらが刺激となって発症するケースが増えています。悪化因子のない所に住むことはできませんから、それらを避けるよう心掛けてみてください。

炎症を抑えるにはステロイド剤を吸引します。飲み薬を服用するより副作用が少なく効果的です。一方、せきが長く続いてもぜんそくと気づかず「こんなものだろう」と治療を受けない人もいます。しかし、大人のぜんそくは治りにくく発作による死亡率が高いので、早目の受診をお勧めします。

聖隷浜松病院 TEL.053-474-2222(代)