健康

幼児期の気づきが大事

子どもの便秘と遺糞症(いふんしょう)

(2014年11月13日号掲載)

親の対応で始まることも

川原央好先生
【お話】
浜松医科大学小児外科
特任准教授

川原央好先生

「子どもの便秘」に定義はありませんが、排便が1週間に2回以下の場合は便秘症と考えます。便は大腸で水分を吸収されるため、腸内での停滞時間が長いほど硬くなり、排便時に肛門の痛みや出血、腹痛、便失禁などを伴います。週3回以上排便している場合でも、これらの症状があれば便秘症と考えます。痛みを嫌がって排便を我慢すると、便はさらに硬くなります。

子どもの便秘の原因はさまざまです。先天的な病気によるものもありますが、大半は体質や生活環境などが原因です。幼児期にトイレットトレーニングを厳しくすると排便を我慢する傾向が見られます。5~6歳頃になると両親のトラブルもわかるようになり、ストレスが原因で便秘になることもあります。中には便秘症の親が子どもの排便回数の少なさに気づかず、悪化する子もいます。排便回数が少なくても不具合がなければいいのですが、痛みを嫌がって排便しないようなら治療が必要です。

悪循環で登校拒否も

通常は便が肛門近くに来ると直腸が広げられる刺激が起こり、便意を感じて排便をしますが、常に便がたまっていると便意を感じにくくなり便秘が進む、という悪循環に陥ります。また、直腸にたまった宿便が硬く大きくなると、そこを通過できるのは便汁だけになり、便汁を下着に漏らす「遺糞症」になることもあります。遺糞症になると失禁した便や便汁の臭気などが原因で周囲に嫌がられ、学童期には登校拒否になる子も実際にいるほど問題は深刻です。

便秘症は年齢が上がるほど治療効果が薄く、再発性があると報告されています。また、重症の便秘が長く続くと体の発育が悪くなり、思春期の到来が遅れることもあります。ですから、子どもが排便を嫌がり習慣づけが難しい場合は、早めに専門医に受診することをお勧めします。

浜松医科大学 TEL.053-435-2111(代)