健康

毎年2万人が発病

結核

(2014年11月20日号掲載)

発病は感染者の約1割

笠松紀雄先生
【お話】
浜松医療センター
呼吸器センター長・
呼吸器内科長

笠松紀雄先生

結核は、肺結核患者が咳をした際に飛び散った結核菌が他人の肺に吸い込まれて起こる病気です。結核菌は軽量で空気中をふわふわ漂うため、肺に入りやすいのです。結核菌が体に入った状態を「感染」といいますが、感染しても免疫や抵抗力があれば菌を封じ込めるので何事も起こりません。しかし、封じ込めに失敗して菌が増殖すると「発病」します。これが「一次結核」です。一次結核は感染者の約1割で、主に免疫のない若い世代に見られます。日本では結核予防効果を高めるため乳児期にBCGワクチンを接種しますが、それでも免疫のできない人やワクチンを接種していない外国人は発病の可能性が高まります。

一方、発病せず感染のみで留まった人のうち1~2割は、加齢やほかの病気・薬による免疫の低下などが原因となり、眠っていた菌が再増殖し発病します。これが「二次結核」で、昭和20年代までの結核大流行期に感染した高齢者が中心です。

咳のないタイプも

結核は進行すると血痰を吐くこともありますが、主な症状は2~3週間続く原因不明の微熱と咳です。ただし一次結核は「咳のない結核」といわれ、咳が出にくいのが特徴です。他人にうつさないためにも早期発見が大事なので、微熱が続くなら近くの医療機関を受診しましょう。

結核かどうかはレントゲン撮影や痰(たん)の検査、血液検査でわかります。痰の中の結核菌が顕微鏡ですぐ見つかる場合は1~2カ月隔離入院し、痰への排菌がなくなるまで治療します。しかし、入院必要患者は患者全体の3~4割で、それ以外の患者は抗結核薬を半年ほど服用する通院治療で治します。しっかり治せば再発の可能性は低い病気ですが、薬を途中でやめると再発があり、しかも薬への耐性が生じるため、周囲への感染の危険性が広がります。薬の服用は医者のOKが出るまで続けましょう。

浜松医療センター TEL.053-453-7111(代)